吾妻鏡入門第十七巻
建仁二年壬戌(1202)十一月大
| 建仁二年(1202)十一月大九日己夘。晴。鶴岳御神樂如例。善進士宣衡歌庭火曲。將軍家無御參。廣元朝臣爲奉幣御使。 |
読下し はれ つるがおか おかぐら
れい ごと ぜんしんじのぶひらにわび きょく うた
建仁二年(1202)十一月大九日己夘。晴。鶴岳の御神樂例の如し。善進士宣衡庭火の曲を歌う。
しょうぐんけぎょさんな ひろもとあそんほうへい おんしたり
將軍家御參無し。廣元朝臣奉幣の御使爲。
現代語建仁二年(1202)十一月九日己卯。晴れです。鶴岡八幡宮への奉納のお神楽は何時もの通りです。文章生試験合格者の三善宣衡が庭火の歌を歌いました。将軍頼家様のお参りはありません。大江広元が幣を捧げる代参です。
| 建仁二年(1202)十一月大廿一日辛夘。天顏快晴。今日將軍家若君〔字善哉。三歳〕始於鶴岡有神拝。被奉神馬二疋。比企三郎。新田六郎等引之。 |
読下し てんがんかいせい きょう しょうぐんけ
わかぎみ 〔あざ ぜんざいさんさい〕 はじ
つるがおかを しんぱいあ
建仁二年(1202)十一月大廿一日辛夘。天顏快晴。今日將軍家
若君〔字は善哉三歳〕始めて鶴岡於
神拝有り。
しんめ にひき たてまつらる ひきのさぶろう にったのろくろうら
これ ひ
神馬二疋を奉被る。比企三郎、新田六郎等之を引く。
参考若君〔字は善哉三歳〕は、後の公暁。
現代語建仁二年(1202)十一月二十一日辛卯。天高く晴れあがっています。今日、将軍頼家様の若君〔字名は善哉、三歳です〕が初めて鶴岡八幡宮へお参りです。馬を二頭奉納しました。比企三郎・新田六郎が馬を引いて納めました。
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