吾妻鏡入門第十九巻

承元二年戊辰(1208)三月

承元二年(1208)三月大二日辛未。尼御臺所以新調法服三十具。被下鶴岳宮供僧。民部大夫行光奉行之。

読下し                   あまみだいどころ しんちょう ほうふくさんじうぐ  もっ   つるがおかぐう ぐそう   くださる   みんぶのたいふゆきみつ これ  ぶぎょう
承元二年(1208)三月大二日辛未。尼御臺所 新調の法服三十具を以て、鶴岳宮の供僧に下被る。民部大夫行光 、之を奉行す。

現代語承元二年(1208)三月大二日辛未。尼御台所政子様は、新しく作らせた坊さんの着物三十着を、鶴岡八幡宮の坊さん達に与えました。二階堂民部大夫行光が担当しました。

承元二年(1208)三月大三日壬申。快リ。鶴岳宮一切經會。將軍家依疱瘡御餘氣無御出。武州爲奉幣御使。御臺所并尼御臺所御參宮〔各御車〕。

読下し                   かいせい つるがおかぐう いっさいきょうえ  しょうぐんけ  ほうそう   ごよけ   よっ  ぎょしゅつな
承元二年(1208)三月大三日壬申。快リ。鶴岳宮の一切經會。將軍家、疱瘡の御餘氣に依て御出無し。

ぶしゅう  ほうへい おんしたり   みだいどころなら  あまみだいどころ ごさんぐう 〔おのおの おくるま〕
武州、奉幣の御使爲。御臺所并びに尼御臺所 御參宮〔 各 御車〕

現代語承元二年(1208)三月大三日壬申。快晴です。上巳の節句なので一切経の奉納式をしました。将軍実朝様は疱瘡の余熱で出席しません。武蔵守時房が幣を捧げる代参です。御台所坊門姫と尼御台所政子様はお参りしました。〔それぞれ牛車です〕

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