吾妻鏡入門第十九巻

承元三年己巳(1209)二月小

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　つるがおかぐう　こうれい　しんじ　　しょうぐんけ ぎょさん な　　　　ほうへい　おんし　　 ひろもとあそんなり
承元三年(1209)二月小三日丁卯。晴。鶴岳宮、恒例の神事。將軍家御參無し。奉幣の御使は廣元朝臣也。

現代語承元三年(1209)二月小三日丁卯。晴れです。鶴岡八幡宮では恒例の神事が行われました。将軍実朝様のお参りは無で、御幣を捧げる代参は大江広元です。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　むさしのくに おおたのしょう わしのみや　ほうでんめいどうのよし　 これ　 は　　　もう
承元三年(1209)二月小十日甲戌。武藏國　太田庄�@鷲宮�Aの寳殿鳴動之由、之を馳せ申す。

参考�@太田庄（武蔵）は、八条院領で太田庄は荒川（現在の綾瀬川および元荒川）と利根川（現在の古利根川）の流路にはさまれ、流路に沿って北西−東南方両に細長く仲びた地域で、現在の羽生市・加須市・鷲宮町・久喜市・白岡町・蓮田市・春日部市・岩槻市・越谷市などの広大な地域に比定される。
参考�A鷲宮は、埼玉県北葛飾郡鷲宮町八甫４丁目の鷲宮神社。

現代語承元三年(1209)二月小十日甲戌。武蔵国太田庄の鷺宮神社の寝殿が音を立てて揺れ動いたと、走って知らせに来ました。

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