吾妻鏡入門第廿二巻
建保二年甲戌(1214)三月小
| 建保二年(1214)三月小九日甲辰。晴。及晩。將軍家俄御出永福寺。爲御覽櫻花也。修理亮。山城判官行村。東平太重胤。宮内兵衛尉公氏等候御共。上下歩儀也。戌尅。及還御之期。儲御車於寺門。 |
読下し はれ ばん およ しょうぐんけ
にはか ようふくじ おんいで さくらばな ごらん ためなり
建保二年(1214)三月小九日甲辰。晴。晩に及び、將軍家俄に永福寺へ御出。櫻花を御覽の爲也。
しゅりのりょう やましろほうがんゆきむら とうのへいたしげたね くないひょうえのじょうきんうじら
おんとも そうら じょうげかち ぎなり
修理亮、山城判官行村、
東平太重胤、
宮内兵衛尉公氏等御共に候う。上下歩の儀也。
いぬのこく かんご
の ご およ おくるまを じもん もう
戌尅、還御之期に及び、御車於寺門に儲く。
現代語建保二年(1214)三月小九日甲辰。晴れです。夜になって、将軍実朝様は急に思い立って永福寺へ出かけられました。花見のためです。修理亮泰時・山城判官二階堂行村・東平太重胤・宮内兵衛尉公氏などがお供をしました。上下共に歩きです。戌の刻(午後八時頃)帰りの時間になって牛車を永福寺の門前に持ってきました。
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建保二年(1214)三月小十一日丙午。山城判官行村。可奉行二階堂事之由奉之。 |
読下し やましろほうがんゆきむら にかいどう こと ぶぎょうすべ のよし これ たてまつ
建保二年(1214)三月小十一日丙午。山城判官行村、二階堂の事を奉行可し之由、之を奉る。
現代語建保二年(1214)三月小十一日丙午。山城判官二階堂行村は、二階堂永福寺の担当を申し出ました。
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