吾妻鏡入門第廿三巻

建保五年丁丑(1217)正月小

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　しょうぐんけ　〔さねともしゅが　　〕　つるがおかはちまんぐう　ごしゃさん
建保五年(1217)正月小一日己夘。霽。將軍家〔實朝朱書き〕鶴岳八幡宮へ御社參。

現代語建保五年(1217)正月小一日己卯。晴れました。将軍実朝様は、鶴岡八幡宮へお参りです。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　 いぬのこく　　ごしょ　　あた　 しょうぼう
建保五年(1217)正月小十一日己丑。�ﾘ。戌剋。御所の邊り燒亡す。

みだいどころ　　めのと　なら　　　　なかあきらあそん　ちくごのさえもんのじょうともしげら　すくろわざわい　「ひ」　
御臺所の御乳母并びに仲章朝臣、筑後左衛門尉朝重等の宿廬災「火」す。

現代語建保五年(1217)正月小十一日己丑。晴れです。午後八時頃、御所の近所で火事です。将軍の奥さんの乳母夫それに源仲章さん・筑後左衛門尉八田知重の宿舎が被害に遭いました。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　しょうぐんけ　つるがおかはちまんぐう　ごしゃさん　つい　　にしょ　　ごしょうじん　　はじ　　せし　　たま
建保五年(1217)正月小廿二日庚子。�ﾘ。將軍家、鶴岳八幡宮へ御社參。次で二所の御精進を始め令め給ふ。

現代語建保五年(1217)正月小二十二日庚子。晴れです。将軍実朝様は、鶴岡八幡宮へお参りです。次に箱根・走湯二権現参りの精進潔斎です。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　にしょ　　ごほうへい　　ため　ごしんぱつ　　そうしゅう　〔ときふさしゅが　　〕　　ぐぶ　　　たま
建保五年(1217)正月小廿六日甲辰。霽。二所の御奉幣の爲御進發。相州〔時房朱書き〕供奉し給ふ。

現代語建保五年(1217)正月小二十六日甲辰。晴れました。箱根・走湯二権現へ幣を納めるお参りに出発です。相州時房さんがお供です。

二月へ

吾妻鏡入門第廿三巻