吾妻鏡入門第廿三巻

建保五年丁丑(1217)六月小

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　　あじゃりくぎょう　　〔よりいえきょう　　そく〕　おんじょうじよ　　 げちゃくせし　　たま
建保五年(1217)六月小廿日丙寅。�ﾘ。阿闍梨公曉〔頼家卿が息〕園城寺自り下着令め給ふ。

あまみだいどころ　 おお　　 よっ　　　つるがおかべっとう　けつ　 ぶされ　　べ　　　　　うんぬん
尼御臺所の仰せに依て、鶴岳別當の闕�@に補被る可きと云々。

こ　　　いちりょうねん　みょうおういん そうじょうこういん　もんてい　な　　　　 がくどう　　ため　　てら　 すまはれ　ところなり
此の一兩年、明王院 僧正公胤が 門弟と爲し、學道の爲に寺に住被る所也。

参考�@別當の闕は、前月十一日に別当定暁が亡くなっている。

現代語建保五年(1217)六月小二十日丙寅。晴れです。阿闍梨公暁〔頼家様の息子〕三井寺園城寺から戻ってきました。尼御台所政子様の命令で、鶴岡八幡宮筆頭の空席に任命されるましたとさ。この一二年、三井寺明王院僧正公胤の弟子となって、仏教学の勉強のため三井寺に住んでいたのです。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　きちじつたる　よっ　　　 しょうぐんけおんひもろぎ　はら　　　 しぎょうされ　　おんみょうしょうじょうちかもと これ　　ほうし
建保五年(1217)六月小廿一日丁夘。�ﾘ。吉日爲に依て、將軍家御神籬�@の秡へを始行被る。 陰陽少允親職 之を奉仕す。

うけいちょう　　おんさた なり
右京兆が御沙汰也。

参考�@神籬は、神事をとりおこなう際、臨時に神を招請するため、室内や庭に立てた榊(さかき)。しめ縄を張って神聖なところとする。古くは、祭りなどの際に、周囲に常磐木(ときわぎ)を植えて神座とした場所をいい、のちには神社をもいう。神座。Goo電子辞書から

現代語建保五年(1217)六月小二十一日丁卯。晴れです。縁起の良い日なので、将軍実朝様は臨時の神棚を榊でお祓いしました。陰陽少允親職が勤めました。右京兆義時さんの指示負担です。

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