吾妻鏡入門第廿四巻

承久元年己卯(1219)十月大

承久元年(1219)十月大廿日壬午。霽。戌刻。伊豫中將實雅朝臣〔一條入道二品能保卿末子〕嫁于右京兆嫡女〔母伊賀守朝光女〕。迎大倉家〔右京兆居所傍〕。侍十人扈從。今日雖爲復日。依無日次宥用之云云。

読下し                   はれ  いぬのこく
承久元年(1219)十月大廿日壬午。霽。戌刻。

いよのちうじょうさねまさあそん 〔いちじょうにゅうどうにほんよしやすきょう まっし〕 うけいちょう ちゃくじょ 〔はは いがのかみともみつ め〕 に か
伊豫中將實雅朝臣〔一條入道二品能保卿が末子〕右京兆が嫡女〔母は伊賀守朝光の女〕于嫁す。

おおくら  いえ 〔うけいちょう  きょしょ かたわら〕   むか さむらいじうにんこしょう
大倉の家〔右京兆が居所の傍〕へ迎う。侍十人扈從す。

きょう ふくにちたり  いへど    ひなみ な    よっ  これ  なだ  もち      うんぬん
今日復日@爲と雖も、日次無きに依て之を宥め用いると云云。

参考@復日は、陰陽道で、その月に配する五行と、その日の五行とが重なる日。吉事を行えば吉事が重なり、凶事を行えば凶事が重なるとされる。結婚・葬儀は忌む。

現代語承久元年(1219)十月大二十日壬午。晴れました。午後八時頃、伊予中将実雅さん〔一条能保さんの末っ子〕が、義時さんの跡取り娘〔母は伊賀守朝光の娘〕に婿入りです。大倉の家〔義時さんの居所の脇〕へ向かいます。侍十人がお供です。今日は、婚礼を嫌う復日ですけれども、良いお日和がないので、やむなく決めたんだそうな。

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