吾妻鏡入門第廿五巻

承久三年辛巳(1221)四月小

承久三年(1221)四月小一日己卯。雷鳴降雹。

読下し                   らいめい ひょうふ
承久三年(1221)四月小一日己卯。雷鳴、雹降る。

現代語承久三年(1221)四月一日己卯。雷が鳴り、ひょうが降りました。

承久三年(1221)四月小十七日辛未。朝定自大神宮皈着。願書付于祭主神祗大副隆宗朝臣訖之由申之。

読下し                      ともさだだいじんぐうよ  きちゃく    がんしょ さいしゅ じんぎだいすけ たかむねあそんに つ をはんぬのよし  これ  もう
承久三年(1221)四月小十七日辛未。朝定大神宮自り皈着す。願書を祭主 神祗大副 隆宗朝臣于付け訖之由、之を申す。

現代語承久三年(1221)四月小十七日辛未。波多野朝定が、伊勢神宮から帰りました。神への願い書きを神主の神祇次官の大中臣隆宗さんに預けてきたと、報告しました。

承久三年(1221)四月小廿九日癸未。京都使者到來大官令禪門之許。去廿日俄有御讓位〔春秋四歳〕之由云々。

読下し                      きょうと  ししゃ    だいかんれいぜんもんの もと  とうらい
承久三年(1221)四月小廿九日癸未。京都の使者、大官令禪門之許へ到來す。

さんぬ はつかにはか ごじょうい 〔しゅんじゅうよんさい〕 あ   のよし  うんぬん
去る廿日俄に御讓位@〔春秋四歳〕有る之由と云々。

参考@譲位は、順徳天皇から仲恭天皇(4歳)へ位を譲った。

現代語承久三年(1221)四月小二十九日癸未。京都からの使いが大官令禅門大江広元の所へ来ました。先日の二十日に急に天皇の位を〔四歳〕に譲ったそうです。

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