吾妻鏡入門第廿六巻

貞應元年壬午(1222)九月小

貞應元年(1222)九月小廿一日丙辰。巳刻。藤民部大夫行盛妻男子平産。

読下し                     みのこく  とうのみんぶたいふゆきもり つま  だんし へいさん
貞應元年(1222)九月小廿一日丙辰。巳刻。藤民部大夫行盛が妻、男子平産す。

現代語貞應元年(1222)九月小廿一日丙辰。午前十時頃に、藤民部大夫二階堂行盛の妻が、男の子を安産しました。

貞應元年(1222)九月小廿二日丁夘。霽。戌刻。奥州御亭寢殿坤角有放火。而工藤右馬允郎從見之。即撲滅畢。彼男給御劍云々。

読下し                     はれ  いぬのこく おうしゅう おんてい  しんでん ひつじさる  かど  ほうか あ
貞應元年(1222)九月小廿二日丁夘。霽。戌刻、奥州が御亭の寢殿の 坤 の角に放火有り。

しか    くどうのうまのじょう  ろうじゅう  これ  み    すなは う   めっ をはんぬ  か  おとこぎょけん  たま      うんぬん
而るに工藤右馬允が郎從、之を見て、即ち撲ち滅し 畢。 彼の男御劍を給はると云々。

現代語貞應元年(1222)九月小二十二日丁卯。晴れました。午後九時頃、奥州義時さんのお屋敷の寝殿の坤(南西)の角に放火されました。しかし、工藤右馬允の家来が、これを見つけて叩き消しました。その男には刀を褒美にあげましたとさ。

十月へ

吾妻鏡入門第廿六巻

inserted by FC2 system