元仁二年乙酉(1225)三月小
元仁二年(1225)三月小十一日壬申。寅刻小地震。 |
読下し
とらのこく ちい ぢしん
元仁二年(1225)三月小十一日壬申。寅刻小さな地震。
現代語元仁二年(1225)三月小十一日壬申。午前四時頃に小さな地震がありました。
元仁二年(1225)三月小廿一日壬午。於御所人々取孔子。致経營。結搆引出物等云云。此間。稱熒惑星之告。於京都專此事之由。六波羅被申送之云云。 |
読下し
ごしょ をい ひとびと くじ と けいえい いた ひきでものなど けちこう うんぬん
元仁二年(1225)三月小廿一日壬午。御所に於て人々孔子を取る。経營@致し、引出物等を結搆すと云云。
こ あいだ けいこくせいの つげ しょう きょうと をい こ こともっぱ のよし ろくはら これ もう おくられ うんぬん
此の間、熒惑星A之告と稱し、京都に於て此の事專らす之由、六波羅之を申し送被ると云云。
参考@経營は、この場合宴会を設ける。
参考A熒惑星(ケイコクセイ)は、火星。
現代語元仁二年(1225)三月小二十一日壬午。御所で、人々が籤引きをしました。宴会を設け、引き出物を用意しましたとさ。最近、火星からのお告げだと云って、京都ではこんな遊びが流行っていると、六波羅から云い送ってきたからだそうな。
元仁二年(1225)三月小廿四日乙酉。日來太白經天。爲變異之由。司天等依申之。今日被行御祈。民部大夫行盛爲奉行云云。 |
読下し
ひごろ たいはくてん へ へんいたるのよし してんらこれ もう よっ きょう おいのり おこなはれ
元仁二年(1225)三月小廿四日乙酉。日來太白@天を經る。變異爲之由、司天等之を申すに依て、今日御祈りを行被る。
みんぶのたいふゆきもりぶぎょう な うんぬん
民部大夫行盛奉行を爲すと云云。
現代語元仁二年(1225)三月小二十四日乙酉。最近、金星が天を横切っている。これは異変だと天文方が云うので、今日、天を静めるお祈りを行いました。民部大夫二階堂行盛が担当だそうな。
参考@太白星(タイハクセイ)は、金星。参考の【22】