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嘉祿二年丙戌(1226)七月大

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　いのこくぢしん　　きょう　　たちばなうまのじょうきんたか　なら　　　ほんまのたろうさえんもんのじょうたださだ
嘉祿二年(1226)七月大一日甲寅。�ﾘ。亥刻地震。今日、 橘右馬允公高�@并びに本間太郎左衛門尉忠貞�A、

おがわのさえもんのじょう　　おな　　　　うえもんのじょうら　　　さんぬ　じょうきゅうさんねんろくがつ　せたがっせん　 かんじょう　こうむ
小河左衛門尉�B、同じき右衛門尉等、去る 承久三年六月 の勢多合戰の勸賞を蒙る。

か　　やから　そうしゅう　じん　 くは　　　　ぐんちう　 はげ　　　いへど　　　 いま　　そ　　 しょう　あずか　　　のあいだ　　そうしゅう　れんれん あ　 もうされ　 のところ
彼の輩、相州の陣に加はり軍忠に勵むと雖も、未だ其の賞に預らず之間、相州、連々擧げ申被る之處、

なおきょよう　な　　　　よっ　　　　じぶん　　くんこうのしょう　いせのくにじうろっかしょない　　　　よんかしょ　　じ　　　て　よ　　　もう　　せし　おんくだしぶみ　たま　　　 うんぬん
猶許容無きに依て、自分の勳功之賞伊勢國十六ケ所内�Cの、四ケ所を辞し而與し申さ令め御下文を給ふと云云。

参考�@橘右馬允公高は、小鹿島橘次公成の息。元伊予の豪族。
参考�A本間は、神奈川県厚木市上下依知出身。後に本間は時房の代官として佐渡へ行く。
参考�B小河は、埼玉県小川町。
参考�C伊勢國十六ケ所は、26巻承久4年3月3日条に与えられたとある。

現代語嘉祿二年(1226)七月大一日甲寅。晴れです。午後十時頃地震です。今日、橘右馬允公高それの本間太郎左衛門尉忠貞・小川左衛門尉・同右衛門尉達は。去る承久3年(1221)6月の勢多合戦の褒美を貰いました。彼らは時房さんの陣営に入って手柄を立てたのですが、未だにその褒美を受けていなかったので、何度も時房さんが推薦したにもかかわらず、許可されなかったので、ご自分が褒美に貰った伊勢国十六か所のうちの、四か所を辞退して推薦したので、褒賞命令書を発行しましたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　 こぜんじょう にいけ しゅうけつ　　おんぶつじ　しょうちょうじゅいん　をい　これ　 しゅうされ
嘉祿二年(1226)七月大十一日甲子。�ﾘ。故禪定二位家周闋�@の御佛事、勝長壽院に於て之を修被る。

いっさいきょうくようの ぎ あ　　　　　ぶがく　　かな　　　　　　おおくらきょうほういんりょうしん　どうし　　な　　　　 こ　　きょう　ひごろしょうにん　かんじんなり
一切經供養之儀有り。舞樂を奏でる。大藏卿法印良信、導師を爲す。此の經 日來聖人が勸進也。

そうしゅう　 ぶしゅう いげ　 ひとびとぐんしゅう　　　 たけごしょ　い　　たま　　　　うんぬん
相州、武州已下の人々群集し、竹御所出で御うと云云。

また　そうしゅうこんりゅう　 とうば　　 くようされ　　　　　どうし　　　しょうごんぼうりっしぎょうゆう　　うんぬん
又、相州建立の塔婆�Aを供養被る。導師は莊嚴房律師行勇と云云。

参考�@周闋は、一回忌。
参考�A相州建立の塔婆は、三重の塔。

現代語嘉祿二年(1226)七月大十一日甲子。晴れです。二位家政子様の一周忌の法事を、勝長寿院で行われました。一切経の奉納があり、舞楽を奉納しました。大蔵卿法印良信が指導僧をしました。このお経は、普段から進めている御経です。時房さん・泰時さんを始め大勢が集まり、竹御所も出席です。
又、時房さんの建立した三重塔でも法事をしました。指導僧は荘厳房律師退耕行勇だそうな。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　　げっしょく しょうげん　　みなかく　　　 うんぬん
嘉祿二年(1226)七月大十五日戊辰。�ﾘ。月蝕 正見す。皆虧ると云云。

現代語嘉祿二年(1226)七月大十五日戊辰。晴れです。月食が良く現れました。全て欠けたそうです。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　　いぬのこくてんぺんあ　　　　うんぬん
嘉祿二年(1226)七月大十八日辛未。�ﾘ。 戌刻 天変有りと云云。

現代語嘉祿二年(1226)七月大十八日辛未。晴れです。午後八時頃、星の運航に異変がありましたそうな。

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