吾妻鏡入門第卅一巻  

嘉禎三年丁酉(1237)九月大

嘉禎三年(1237)九月大十一日己未。子刻地震。

読下し                     ねのこく ぢしん
嘉禎三年(1237)九月大十一日己未。子刻地震。

現代語嘉禎三年(1237)九月大十一日己未。夜中の零時頃に地震。

嘉禎三年(1237)九月大十五日癸亥。霽。大夫判官定員爲御使上洛。是大閤來月可有御物詣之間。依被進旅行御調度也。

読下し                     はれ  たいふほうがんさだかずおんし  な  じょうらく
嘉禎三年(1237)九月大十五日癸亥。霽。大夫判官定員御使と爲し上洛す。

これ  たいこうきた  つきおんものもうで  べ   のあいだ  りょこう  ごちょうど  しん  らる  よっ  なり
是、大閤來る月御物詣有る可き之間、旅行の御調度を進ぜ被るに依て也。

現代語嘉禎三年(1237)九月大十五日癸亥。晴れました。大夫判官藤原定員が将軍の使いとして京都へ上ります。これは、太閤九条道家さまが来月熊野詣に行くので、旅行用の費用品々を届けるためなのです。

嘉禎三年(1237)九月大十六日甲子。信濃國諏方社明年五月會神事等。有其沙汰云々。

読下し                     しなののくに すわしゃ  みょうねん ごがつえ  しんじ ら           そ    さた あ     うんぬん
嘉禎三年(1237)九月大十六日甲子。信濃國諏方社の明年五月會の神事等について、其の沙汰有りと云々。

現代語嘉禎三年(1237)九月大十六日甲子。信濃国の諏訪大社の来年の五月祭りの神事について、指示がありましたとさ。

嘉禎三年(1237)九月大廿三日辛未。丑刻地震。

読下し                     うしのこく ぢしん
嘉禎三年(1237)九月大廿三日辛未。丑刻地震。

現代語嘉禎三年(1237)九月大二十三日辛未。午前二時頃に地震。

嘉禎三年(1237)九月大廿四日壬申。子刻地震。

読下し                     ねのこく ぢしん
嘉禎三年(1237)九月大廿四日壬申。子刻地震。

現代語嘉禎三年(1237)九月大二十四日壬申。夜中の十二時頃に地震。

嘉禎三年(1237)九月大廿九日丁丑。夘刻有光物流星云々。

読下し                     うのこくひかりものあ りゅうせい  うんぬん
嘉禎三年(1237)九月大廿九日丁丑。夘刻光物有り流星と云々。

現代語嘉禎三年(1237)九月大二十九日丁丑。午前六時頃に光る物があり、流星ではないかとの事。

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