吾妻鏡入門第四十三巻

建長五年(1253)六月小

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　　つるがおかはちまんぐう かりでん　りっちゅうじょうとうのことなり　　かろくがんねん しゅうりののち　　にじうくねん　　へ　　　うんぬん
建長五年(1253)六月小二日己酉。�ﾘ。　鶴岳八幡宮 假殿の立柱 上棟之事也。嘉祿元年�@修理之後、廿九年を歴ると云々。

参考�@嘉祿元年は、1225で、6月10日に大江広元・7月11日に北条政子が亡くなっている。又、新御所の建設引っ越しはあるが、八幡宮修理の記事は無い。年数は数え年で合っている。

現代語建長五年(1253)六月小二日己酉。晴れです。鶴岡八幡宮の仮殿の柱立て、棟上げ式です。嘉禄1年(1225)に修理をしてから29年経ったそうな。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　　みのこく　あいだのじょうすけ じゅごいのじょう ふじわらあそんよしかげ ほっし 〔ほうみょうげんち〕　そっ　　　〔とししじゅうし〕
建長五年(1253)六月小三日庚戌。�ﾘ。巳尅。秋田城介 從五位上 藤原朝臣義景 法師〔法名願智〕卒す〔年四十四〕。

現代語建長五年(1253)六月小三日庚戌。晴れです。午前十時頃、秋田城介従五位上藤原朝臣安達義景法師〔出家名は願智〕亡くなりました〔年は四十四歳です〕。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　　つるがおかはちまんぐう　かりでん　せんぐうなり
建長五年(1253)六月小八日乙卯。�ﾘ。　鶴岡八幡宮　假殿の遷宮�@也。

参考�@鶴岡假殿遷宮は、翌月6日にも同様「寅尅鶴岡假殿遷宮也」の記事あり。

現代語建長五年(1253)六月小八日乙卯。晴れです。鶴岡八幡宮は、仮殿への引っ越しです。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　ひつじのこく　おおぢしん　　きんねんひるいな　　　　またしばらく　　てしょうどういちりょうど
建長五年(1253)六月小十日丁巳。霽。 未尅、大地震。近年比類無し。又小選し而小動一兩度。

現代語建長五年(1253)六月小十日丁巳。晴れました。午後2時頃大地震です。近頃に比べようも無く大きい。又、間を開けて小さな揺れが1・2度ありました。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　こさめふ　　　　　ぢしん　　おいのり　 ため　　 ごしょ　　をい　　たいさんふくんさい　おこなはれ　　ためちかあそんこれ　ほうし
建長五年(1253)六月小十三日庚申。小雨降る。地震の御祈の爲、御所に於て泰山府君祭を行被る。爲親朝臣之を奉仕す。

　ごとういきぜんじもとまさ　　おんしたり
後藤壹岐前司基政御使爲。

現代語建長五年(1253)六月小十三日庚申。小雨が降りました。地震治めのお祈りのてめに、御所で泰山府君祭を行いました。安倍為親さんが勤めました。後藤壱岐前司基政が代参です。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かのうしんさえもんのじょう　こさむあいばんちょう　い　　　 むとうさえもんのじょうかげより　　おお　　を ぶぎょうにん　つた　　　　うんぬん
建長五年(1253)六月小廿五日壬申。狩野新左衛門尉、小侍番帳に入る。武藤左衛門尉景頼、仰せ於奉行人に傳うと云々。

現代語建長五年(1253)六月小二十五日壬申。狩野新左衛門尉が、将軍の身の回りの世話をする小侍の班長に入りました。武藤左衛門尉景頼が将軍の仰せを指導担当者に伝えましたとさ。

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