吾妻鏡入門第四十九巻 　

文應元年(1260)七月小

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　   はれ　　きょうと　　ひきゃくとうらい　　　　いん　　ごのう　ごげん　のよしこれ　　もう
文應元年(1260)七月小二日戊辰。�ﾘ。京都の飛脚到來す。院の御惱御減之由之を申す。

　ごげんは　　さだいじんほういん　　　このえ　うふ　　 おんそく　　うんぬん
御驗者は左大臣法印。近衛右府が御息と云々。

参考院は、後嵯峨上皇らしい。承久2年2月26日(1220年4月1日)-文永9年2月17日(1272年3月17日[1])は、鎌倉時代の第88代天皇(在位：仁治3年1月20日(1242年2月21日)-寛元4年1月29日(1246年2月16日)。諱は邦仁(くにひと)。
参考左大臣法印は、在京の僧らしいので、鎌倉の左大臣法印嚴惠とは別人らしい。
参考近衛右府は、不明だが、近衛基平なら兼経の子で、1261−1265に右大臣をやっている。子に大僧正尋基がいる。

現代語文応元年(1260)七月小二日戊辰。晴れです。京都からの伝令が到着しました。後嵯峨院の病気は消滅したと報告しました。加持祈祷は左大臣法印で近衛右大臣の息子だそうな。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　　よ　　 い　　　らいう　　　きょう　　　みうらしきぶたろうさえもんのじょうみつまさ　　しせつ　　な　　　じょうらく
文應元年(1260)七月小四日庚午。�ﾘ。夜に入り雷雨。今日、三浦式部太郎左衛門尉光政使節と爲し上洛す。

 ごのう　ごげん　　こと　　が　　　もうさる　　　　よっ　　なり
御惱御減の事を賀し申被るに依て也。

現代語文応元年(1260)七月小四日庚午。晴れです。夜になって雷雨。今日、三浦式部太郎左衛門尉光政は派遣員として京都へ上ります。院の回復の祝いを申し上げるためです。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 いずみのぜんじゆきかたたてまつ　な　　　えちごのかみさねとき　さがみのたろうぬしら　に　たず　 と はる　　　　ことあ
文應元年(1260)七月小六日壬申。和泉前司行方奉りと爲し、越後守實時・相摸太郎主等于尋ね問被るの事有り。

これ　きょねんずいへい　あいもよおさる　のとき　　おおすがしんさえもんのじょうともうじ　　あそぬまこじろうみつつな　　おのおの　じゆう　　ふさん
是、去年随兵を相催被る之時、大須賀新左衛門尉朝氏・阿曾沼小次郎光綱、各 自由に不參す。

しか　　 なまじい　もっ　 みつつなは　しそく　ごろう　　さししん　　　 ともうじはおとうとごろうさえもんのじょうのぶやすを　だいかん　 た　　　　　　　こ
而して憖に以て光綱者子息五郎を差進じ、朝氏者 弟 五郎左衛門尉信泰於代官に立てる。

こと　　きょよう　　　　だれひと　 はから　や てへ　　　　　　さねときあそんら　もう　　　　 い
此の事の許容は、誰人の計ひ哉者れば。實時朝臣等申して云はく。

ことば　もっ　　もうせし　　ば　　　つた　　　　もの　も　　　　いさい　　ひろう　な　　　　　　　か　　　の　　　　　じょう　 の　　ごんじょうせし　 べ　　 てへ
詞を以て申令め者、傳うる者若しや委細の披露無からん歟。退きて状に載せ言上令む可し者れば。

すなは　じょう　ろく　くどうのさぶろうさえもんのじょうみつやす　　ふ　　　　ま　　そうしゅうぜんしつに　ひらん　　　のところ　　はか　 おお　 られ　　い
則ち状を勒し 工藤三郎左衛門尉光泰に付し、先ず相州禪室于披覽する之處、計り仰せ被て云はく。

じょう　の　　　　　のじょう　　すこぶ　もっ　　げんじゅう　　に　　　　　　か　　ただみつやす　さねとしらのことば　もっ　　ゆきかた　　ぞく　　しゃ　　もう　　のじょうよろし　　　べ　　　かてへ
状に載せる之條、頗る以て嚴重に似たらん歟。只光泰・實俊等之詞を以て行方に属し謝し申す之條宜かる可き歟者り。

か　　　じょう　　い
彼の状に云はく。

　　　　　　きょねんはちがつほうじょうえ　ごしゃさん　　　ぐぶにん　 あいだ　おお　 くださる　　　りょうじょう
　　　去年八月放生會の御社參に供奉人の間に仰せ下被るの兩條

　　ひとつ　　あそぬまのこじろう　　ずいへい　　やく　　しそく　　もっ　　ごんじせし　　もう　　こと
　一　阿曾沼小次郎が随兵の役、子息を以て勤仕令め申す事

　　みぎ　 しょろう　のよし　 かいぶんに おしがみ　　のあいだ　　しさい　　ごんじょう　　　のところ　　みつやす　さねとし　 もっ　　　 たびたび しさい　　おたず　 あ
　右、所勞之由、廻文于押紙する之間、子細を言上する之處、光泰・實俊を以て、度々子細を御尋ね有りて、

　　ごんじせし　　べ　　　のよしおお　　くだされをはんぬ　さら　　じゆう　のはか　　　あらずそうろう
　勤仕令む可き之由仰せ下被訖。　更に自由之計りに非候。

　　ひとつ　おおすがしんさえもんのじょう　おな　　　　ごろうさえもんのじょう　ら　　あいだ　こと
　一　大須賀新左衛門尉・同じき五郎左衛門尉等が間の事

　　みぎ　 おおすがしんさえもんのじょう　　をい　　は　　ずいへい　　ごてん　　くださる　　か　　あいだ　さいそくそうろうのところ　しょろう　のよしかいぶんにおしがみ　　 のあいだ
　右、大須賀新左衛門尉に於て者、随兵の御點を下被る歟の間、催促 候 之處、所勞之由廻文于押紙する之間、

　　かく　　むね　　ちゅう　もう　そうろうのところ　しょろう　　あら　　　のあいだ　　ごめんをはんぬ
　此の旨を注し申す候之處、所勞を現はす之間、御免訖。

　　つぎ　　ごろうさえもんのじょう　　をい　　は　　　もとよ　　ひたたれ　　ごてん　　くだされそうろうのあいだ　ごんじ　をはんぬ　
　次に五郎左衛門尉に於て者、本自り直垂の御點を下被候　之間、勤仕し訖。

　　かく　りょうにん　　こと　　おな　わたくし　はかり　あらずそうろう
　此の兩人の事、同じく私の計に非　候。

　　　いぜん　りょうじょう　かく　　ごと　　　のよしかくご　そうろう　ただ　　むねおく　もうしじょう　　ごしんよう　　たらざりそうろうか
　以前の兩條、此の如く之由覺悟し候。但し胸臆の申状、御信用に不足 候 歟。

　　しかれども　かく　 ごと　　こと　　さきざきおんしょ　 くだ　そうろう　およばざるのあいだ　ある　　　　　ぐき　　　いんかん　　　 ある　　　　ごてん　 ちゅうもん　　まか　　　　
　然而、此の如き事、先々御書を下し候に 不及 之間、或ひは愚記を引勘し、或ひは御點の注文に任せ、

　　しさい　ごんじょう　　　　かく　おもむき　もっ　　ひろうせし　　たま　　べ　そうろう　きょうこうきんげん
　子細を言上し、此の趣を以て披露令め給ふ可き候。恐惶謹言。

　　　　　　　　　　しちがつむいか　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　たいらのときむね
　　　　　七月六日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平時宗　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 えちごのかみさねとき
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　越後守實時

　　　　しんじょう　いずみのぜんじどの
　　進上　和泉前司殿

現代語文応元年(1260)七月小六日壬申。和泉前司二階堂行方が宗尊親王将軍家の代理として、越後守金沢流北条実時と相模太郎北条時宗さんとに質問がありました。
これは、「去年武装儀仗兵をお供させた時、大須賀新左衛門尉朝氏と阿曾沼小次郎光綱が、それぞれ勝手に欠席をした。そのうえ、しなくても良いのに光綱は息子の五郎を出させて、朝氏は弟の五郎左衛門尉信泰を代理にしました。このことは誰の許可で、誰の計略なのでしょう。」と聞いたので、実時が応えるのには、
「言葉で申し上げては、伝言する者が、もし詳しい説明が届かないかも知れないので、文章にして申しあげましょう。」と云って、すぐに文章を書いて、工藤三郎左衛門尉光泰を通して、まず相州禅室時頼に見てもらったところ、考えられての仰せは、
「わざわざ文章に書いて出すのは、とても大げさすぎるのではないだろうか。単に得宗被官工藤光泰と小侍所所司平岡実俊の言上を二階堂行方を通してお詫びするのが良いのではないだろうか。」と仰せられました。その文章に書かれているのは、
　　去年八月の放生会の将軍のお参りにお供に仰せつけられた二つの事
　一　阿曾沼小次郎光綱の武装儀仗兵の役を、息子に代理勤務させた理由について
　　右は、病気だと回覧に書いてたので様子を言上した所、工藤光泰・平岡実俊を通して何度か事情をお尋ねがあって、とにかく勤めるようにとの仰せだったので、自分勝手の判断ではありません。
　一　大須賀新左衛門尉朝氏と同五郎左衛門尉信泰の問題について
　　右は、大須賀新左衛門尉朝氏については、武装儀仗兵とチェック戴きましたが、当人に通知したら、病気だと回覧に書いて来たので、その事を書きこんで報告したら、病気じゃ仕方がないと許可されました。次に五郎左衛門尉信泰については、元々鎧直垂を着るようにチェックされておりましたので、勤めたのです。この二人の行動も自分勝手な判断ではありませんよ。
　以上の二件は、このように承知しております。但し、憶測での報告では信用するに足りないでしょうか。しかしながら、この様な出来事に今後も文書で命令する必要はないでしょうから、この文書を引用し、或いはチェックした名簿を参考に、詳しい事を申し上げて、この状況をお知らせ願いたいのです。謹んで申し上げます。
　　七月六日　　　　　　　　平時宗
　　　　　　　　　　　　　　越後守実時
　　お届けします　和泉前司二階堂行方殿

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ともうじ　　みつつなら　あいだ　こと　　ゆきかた　 みつやす　さねとし　　こうじょう　き　　　　　ひろう　　　　うんぬん
文應元年(1260)七月小七日癸酉。朝氏・光綱等の間の事、行方、光泰・實俊が口状を聞き、披露すと云々。

こと　　　　こと　な　　　　　　か　　　えつしゅうら　しょじょう　　ぜんしつ　げんめい　したが　うち　　とど　　もう　　　　うんぬん
殊なる事無からん歟。越州等が書状、禪室の嚴命に随い中に留め申すと云々。

現代語文応年(1260)七月小七日癸酉。大須賀朝氏と阿曾沼光綱の事について、二階堂行方・工藤光泰・平岡実俊が、口頭で宗尊親王将軍家に報告しましたとさ。大した問題は無かったのです。実時等の文章は、時頼の命令通りに出しませんでしたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ほうじょうえ　　　ぐぶ　　ひたたれ　　き　　　こと　　ごてん　あ　　　　　　 ため　　しか　　べ　　のやから　　えら　　ちゅうしんすべ　　のむね
文應元年(1260)七月小八日甲戌。放生會の供奉に直垂を着る事、御點有らんが爲、然る可き之輩を撰び、注進可き之旨、

さんぬ　つきじゅうろくにちおお　　くださる　のあいだ　こさむらいどころ これ　えら　　せし　　　　おとおい　しんらのあいだ　　きょう　ごてん　あ
去る月 十六日 仰せ下被る之間、 小侍所　之を撰び令む。一昨日進覽之間、今日御點有り。

さいそくせし　　　ためこれ　　かえさる　　　うんぬん
催促令めん爲之を返被ると云々。

現代語文応元年(1260)七月小八日甲戌。放生会のお供の鎧直垂を着る者をチェックしたいので、それ相応の連中を撰んで書き出すように、先月16日に命令されていたので、小侍所で選び出しました。一昨日御覧に渡していた所、今日チェックを書き込みました。当人達に通知するように小侍所へ返してよこしましたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 かまくらじゅう　ほう　　こと　　ろうぜき　　しず　　　　べ　　　のむね　　みぎょうしょ　　くださる　　　　うんぬん
文應元年(1260)七月小十日丙子。鎌倉中の保、殊に狼藉を鎭める可き之旨、御教書を下被ると云々。

現代語文応元年(1260)七月小十日丙子。鎌倉内の町内会の保に、特に無法なふるまいを取り締まるように、命令書を発行しましたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 こさむらい　ばんちょう　　さら　　せいしょ　のこと　 なかやましろぜんじもりとき　 おお　　らる　　　いへど
文應元年(1260)七月小廿三日己丑。 小侍 の番帳、更に�C書之事、中山城前司盛時に仰せ被ると雖も、

しょろう　のよし　　もう　　　　よっ　　　さとうみんぶのたいふゆきもと またおお　　うけたまは　ふで　 そ　　　　ところなり　 
所勞之由を申すに依て、佐藤民部大夫行幹 又仰せを奉り 筆を染める所也。

これ　 いずみのじろうさえもんのじょうゆきあき　　もっ　　　　ひさし　おんふだを　こさむらいどころ　くださる
是、 和泉次郎左衛門尉行章 を以て、廂の御簡於　小侍所　へ下被る。

ひさしとこさむらい　そ　　ばん　〔いちばんよ　　　 ろくばん　　 いた　　〕　ごと　　　しんしせず
廂与 小侍、其の番〔一番自り六番に至る〕毎に參差不。

どうじつたるのさま　これ　　けちばんせし　　　　か　　あらた　べ　　　のよし　　おお　 くださる　　　　よっ　　　　かく　　ごと　　　　　うんぬん
同日爲之樣に之を結番令め、書き改む可き之由、仰せ下被るに依て、此の如しと云々。

かつう　せいしょ　じん　　　　いぜん　りょうにんしか　　べ　　　のむね　そうしゅうぜんしつ　おはから　たり　 うんぬん
且は�C書の仁は、以前の兩人 然る可き之旨、相州禪室の御計ひ爲と云々。

参考參差は、互いに入り混じるさま。

現代語文応元年(1260)七月小二十三日己丑。小侍所の班長、それに清書係について、中山城前司盛時に命じましたが、病気だと云うので、佐藤民部大夫行幹が、指名されて書くことになりました。この話を和泉次郎左衛門尉二階堂行章に云いつけて、廂の間にぶら下げる札を小侍所へ与えました。廂の間詰めと小侍所詰めの、その順番〔一番から六番まで〕ごとに互いに混ざりません。同日に当っている時は書きなおすようにと仰せなので、このようになりましたとさ。それでも、清書の担当は以前の二人が合っていると、相州禅室時頼が決めたそうな。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　きょうと　　ひきゃくさんちゃく　　さんぬ　じゅうごにち　いご　　　いん　おんおこり おんさら　　はっ　　　　のよしこれ　　もう
文應元年(1260)七月小廿四日庚寅。�ﾘ。京都の飛脚參着す。去る十五日 以後、院の御瘧　御更に發する之由之を申す。

現代語文応元年(1260)七月小二十四日庚寅。京都からの伝令が到着しました。先日の十五日以後、後嵯峨院の発作は、更に発病していると報告しました。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　　ごのう　　こと　　よっ　　　　しなののじろうさえもんのじょうゆきむね　しせつ　　な　　じょうらく
文應元年(1260)七月小廿五日辛夘。�ﾘ。御惱の事に依て、信濃次郎左衛門尉行宗 使節と爲し上洛す。

きょう　　　さつまのしちろうさえもんのじょう きょうとよ　　　　きさん
今日、薩摩七郎左衛門尉 京都自り歸參す。」

また　こさむらいどころばんちょう　　こと　　そ　　　さた　あ　　　　　かきよう　　をい　　　　　　しだい　ふどう　のぎ　たり　いへど　　　なん　 おも　ところ な　　　　　 や
又、 小侍所　番帳の事、其の沙汰有り。書樣に於ては、次第不同之儀爲と雖も、何ぞ思ふ所無からん哉。

いささ　　しだい　　た　　　　　か　　あらた　べ　　　のよし　　おお　 くださる　　　うんぬん　　いずみのぜんじゆきかた　むとうしょうきょうかげより ら　ぶぎょうたるなり
聊か次第を立てて書き改む可き之由、仰せ下被ると云々。和泉前司行方・ 武藤少卿景頼等 奉行爲也。

これ　　ひごろけちばんのてい　かんい　　まもらず　ちゃくしょ　ろんぜず　　かつう　すくろう　より　　かつう　きんぴ　　したがい　かかれ　　　うんぬん
是、日來結番之躰、官位を不守、嫡庶を不論、且は宿老に依、且は勤否に随て 書被ると云々。

現代語文応元年(1260)七月小二十五日辛卯。晴れです。後嵯峨院の病気の見舞の為、信濃次郎左衛門尉二階堂行宗が派遣員として京都へ出発です。今日、薩摩七郎左衛門尉伊東祐能が京都から帰って来ました。」
また、小侍所の班長について、指示がありました。「書き方については、順不同だが、何か思案はないのか？多少は順序を決めて書きなおすよう。」に仰せになりましたとさ。和泉前司二階堂行方と武藤少卿景頼が担当します。これは、順番の様子が官位順を守らず、本家と分家とを考えずに、一つは年功序列により、ひとつは勤務成績に従って書くようにだそうな。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　くもり　　きょうと　　ひきゃくまたとうらい　　　　さんぬ　にじゅういちにち　〔せんかもんいんおんあね　しょうぐんけおんしゅうと〕　ほうぎょのよしこれ　　もう
文應元年(1260)七月小廿六日壬辰。陰。京都の飛脚又到來す。去る　廿一日 〔仙花門院御姉。將軍家御姑〕崩御之由之を申す。

現代語文応元年(1260)七月小二十六日壬辰。曇りです。京都からの伝令がまたもや到着しました。先日に二十一日〔仙華門院の姉で、宗尊親王将軍家の姑にあたる〕が亡くなられたと報告しました。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 はれ　　なかごしょばんしゅうは　ひさしのごしょ にちゃくとうすべ　　のむね　　いずみのぜんじゆきかた ぶぎょう
文應元年(1260)七月小廿九日乙未。�ﾘ。中御所番衆者、 廂御所 于着到可き之旨、 和泉前司行方 奉行し、

くどうのさぶろうさえもんのじょうみつやす　ひらおかさえもんのじょうさねとし　　あいふれ　　　　うんぬん
 工藤三郎左衛門尉光泰・ 平岡左衛門尉實俊 へ相觸ると云々。」

うまのこく　きょうと　　ひきゃくとうちゃく　　　いん　おんおこり　やまい　さんぬ　にじゅういちにちへいふく　　　　ごげんはどうじょうそうじょう　うんぬん
午剋、京都の飛脚到着す。院の御瘧の病、 去る　廿一日　平復す。御驗者道性僧正と云々。」

きょう　　みやすんどころ　そうしゅうぜんしつ　おんてい　にゅうぎょ
今日、御息所　 相州禪室の御亭へ入御す。

　ぐぶにん
供奉人

　　えちぜんぜんじときひろ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぎょうぶしょうゆうのりとき
　越前々司時廣　　　　　　　　　　　刑部少輔教時

　　おわりさこんのたいふしょうげんきんとき　　　　　　　　　　　　　むつさこんのたいふしょうげんよしまさ
　尾張左近大夫將監公時　　　　　　　陸奥左近大夫將監義政

　　さがみのさぶろうときとし　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しんさがみのさぶろうときむら
　相摸三郎時利　　　　　　　　　　　新相摸三郎時村

　　いきぜんじもとまさ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いずみのぜんじゆきかた
　壹岐前司基政　　　　　　　　　　　和泉前司行方

　　ではのたいふほうがんゆきあり　　　　　　　　　　　　　　　　　　しきぶのたろうさえもんのじょうみつまさ
　出羽大夫判官行有　　　　　　　　　式部太郎左衛門尉光政

　　じょうのしろうさえもんのじょうときもり　　　　　　　　　　　　　　　　かずさのたろうさえもんのじょうながつね
　城四郎左衛門尉時盛　　　　　　　　上総太郎左衛門尉長經

　　むとうさえもんのじょうよりやす　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おおそねたろうさえもんのじょうながより
　武藤左衛門尉頼泰　　　　　　　　　大曾祢太郎左衛門尉長頼

　　いずみのじろうさえもんのじょうゆきあき　　　　　　　　　　　　ひたちのじろうさえもんのじょうゆききよ
　和泉次郎左衛門尉行章　　　　　　　常陸次郎左衛門尉行�C　

現代語文応元年(1260)七月小二十九日乙未。晴れです。中御所担当班は、廂御所で出席簿を亭主しなさいと、和泉前司二階堂行方が担当して、工藤三郎左衛門尉と平岡左衛門尉実俊に伝えましたとさ。」
昼頃に、京都からの伝令が到着して、後嵯峨院の発作病は、先日二十一日に治りました。加持祈祷は道性僧正だそうな。」
今日、将軍の奥さん御息所は、相州禅室時頼の屋敷へ入りました。お供は、
　越前前司北条時広　　　　　刑部少輔名越教時
　尾張左近大夫将監名越公時　陸奥左近大夫将監塩田義政
　相模三郎時利　　　　　　　新相模三郎時村
　壱岐前司後藤基政　　　　　和泉前司二階堂行方
　出羽大夫判官二階堂行有　　式部太郎左衛門尉伊賀光政
　城四郎左衛門尉安達時盛　　上総太郎左衛門尉大曾祢長経
　武藤左衛門尉頼泰　　　　　大曽祢太郎左衛門尉長頼
　和泉次郎左衛門尉二階堂行章　常陸次郎左衛門尉二階堂行清

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