吾妻鏡入門第四十三巻

建長五年(1253)三月小

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そらはれ　　ごしょ　　まりのおんつぼ　をい　　どうぶ　　み　　　　　これ　　あす　　つるがおかほうえ　ちょうがく　うんぬん
建長五年(1253)三月小一日己夘。天�ﾘ。御所の鞠御壷に於て童舞を覽る。是、明日の鶴岡法會の調樂と云々。

現代語建長五年(1253)三月小一日己卯、空は晴です。御所の蹴鞠用坪庭で、稚児舞を見る。これは、明日の鶴岡八幡宮での上巳の節句の法要のリハーサルです。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　　しょうぐんけ　　にしょ　　ごしょうじんはじ　　なり　　よっ　 うしお　 よくせし　　　 ため おんはまいで　　そうしゅう いげ　ぐぶ　せし　 たま
建長五年(1253)三月小四日壬午。�ﾘ。將軍家、二所の御精進始め也。仍て潮を浴令めん爲 御濱出。 相州以下供奉令め給ふ。

現代語建長五年(1253)三月小四日壬午。晴です。宗尊親王将軍家は、箱根伊豆の二所権現参りの精進潔斎の始めです。それで海水で禊を行うため浜辺へお出ましです。時頼さん以下がお供をしました。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　　にしょほうへい　　おんし　　うこんたいふしょうげんときさだあそんしんぱつ
建長五年(1253)三月小八日丙戌。霽。二所奉幣の御使、右近大夫將監時定朝臣進發す。

現代語建長五年(1253)三月小八日丙戌。晴ました。箱根伊豆の二所権現参りの幣を納める代参の右近大夫将監北条時定が出発しました。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　にしょほうへい　　ごせんだつなら　　　　おんしら　きちゃく　　　　うんぬん
建長五年(1253)三月小十四日壬辰。�ﾘ。二所奉幣の御先達并びに御使等歸着すと云々。

現代語建長五年(1253)三月小十四日壬辰。晴です。箱根伊豆の二所権現参りのお詣りの指導者の先達それに代参の北条時定が帰って来ましたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　ばんけい　　　　ごしょ　　おんまりはじ

建長五年(1253)三月小十八日丙申。霽。晩景に、御所の御鞠始め。

　そ　しゅう　 しきぶのたいふときひろ　かもんのすけさねとき　えちごのごろうときいえ　とおとうみのじろうときみち　とおとうみのろくろうのりとき

其の衆、式部大夫時弘・掃部助實時・越後五郎時家・ 遠江次郎時道・ 遠江六郎教時・

うまのすけちかいえ　 いきぜんじやすつな　　しもつけしろうかげつな　 じょうのくろうやすもりらなり

右馬助親家・壹岐前司泰綱・下野四郎景綱・城九郎泰盛等也。

現代語建長五年(1253)三月小十八日丙申。晴ました。夜になって、御所で蹴鞠始めです。そのメンバーは、式部大夫北条時弘・壱岐前司佐々木泰綱・下野四郎宇都宮景綱・城九郎安達泰盛です。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そうしゅう　しんたん　 わかぎみ なら　　　おんはは　さんじょよ　　　もと　　いえ　　かえ　 せし　 たま　　　 うんぬん
建長五年(1253)三月小廿一日己亥。相州が新誕の若公�@并びに御母、産所自り本の家へ歸り令め給ふと云々。

参考�@新誕の若公は、福寿丸で、後の宗政。

現代語建長五年(1253)三月小二十一日己亥。時頼さんの新しく生まれた若君と母親が、産屋から元の家へ帰りましたとさ。

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