吾妻鏡入門第十九巻

承元二年戊辰(1208)二月小

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　つるがおかぐう　　おかぐら れい　　ごと　　　 しょうぐんけ ごほうそう　　よっ　　ぎょうしゅつな
承元二年(1208)二月小三日癸卯。�ﾘ。鶴岳宮の御神樂例の如し。將軍家御疱瘡�@に依て御出無し。

さきのだいぜんだいぶひろもとあそん　おんし　　な　　しんぱい　　　　また　みだいどころ ごさんぐう
 前大膳大夫廣元朝臣 御使と爲し神拝す。又、御臺所御參宮。

参考�@疱瘡は、天然痘で、高熱が出、仮に治癒してもあばたが残る。

現代語承元二年(1208)二月小三日癸卯。晴れです。鶴岡八幡宮のお神楽の奉納は何時もの通りです。将軍実朝様は疱瘡にかかり、出席しません。前大膳大夫大江広元さんが代理として神様に拝みました。又、将軍奥さんの坊門姫もお参りです。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しょうぐんけ　ごほうそう　　すこぶ　しんしん　なや　　せし　 たま　　　 これ　　よっ　　きんごく　　ごけにんら　ぐんさん
承元二年(1208)二月小十日庚戌。將軍家御疱瘡、頗る心神を惱ま令め御う。之に依て近國の御家人等群參す。

現代語承元二年(1208)二月小十日庚戌。将軍実朝様の疱瘡が、とても具合が悪いのです。それを聞いて鎌倉に近い国の御家人達が集まってきました。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あめふる　　しょうぐんけ　　ごへいゆのあいだ　　おんもくよくあ
承元二年(1208)二月小廿九日己巳。雨降。將軍家、御平癒之間、御沐浴有り。

現代語承元二年(1208)二月小二十九日己巳。雨降りです。将軍実朝様の病気が良くなったので、病の気を洗い落とす沐浴の儀式がありました。

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