吾妻鏡入門第十九巻

承元二年戊辰(1208)六月小

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 かいせい　さんぬ　つきよ　　 いま　　いた　　　いってき　　あめ　　ふらず　　しょみんこうさく　 すべ　 うしな
承元二年(1208)六月小十六日甲申。快�ﾘ。去る月自り今に至り、一滴の雨も降不、庶民耕作の術を失う。

よっ　　　きう　　　ことを　つるがおかぐそうら　　おお　 らる　 のところ　　えのしま　　ぐんさん　　 りゅうけつ　 きしょう　　　　うんぬん
仍て祈雨の事於鶴岳供僧等に仰せ被る之處、江嶋へ群參し、龍穴に祈請すと云々。

現代語承元二年(1208)六月小十六日甲申。快晴です。先月から今日まで、一滴の雨も降らないで、農民たちは耕作のしようもありません。それなので、雨乞いのお祈りを鶴岡八幡宮の坊さん達に命令して、江の島に集まらせ、裏の龍の穴に向かって拝ませましたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とらのこく　かんう　ふ　　　　 きしょう　　かんのうなり　　ぎょけんおんぞらを　ぐうじ　　　おく　　しん　　らる
承元二年(1208)六月小十七日乙酉。寅尅。甘雨�@降る。祈請の感應也。御釼御衣等於宮寺へ送り進じ被る。

参考�@甘雨は、草木を湿らす恵みの雨。

現代語承元二年(1208)六月小十七日乙酉。寅の刻（午前四時頃）に有りがたい恵みの雨が降りました。お祈りをさせた効果でしょう。さっそく、刀や着物を鶴岡八幡宮寺へ奉納させました。

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