吾妻鏡入門第十九巻

承元五年辛未(1211)閏正月大

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　いのこくしょうぼう　　　ぶしゅう　　てい いなん　　じんおくさんじうよう　かいじん　　な
承元五年(1211)閏正月大七日庚申。�ﾘ。亥尅燒亡す。武州の亭以南の人屋三十餘宇灰燼と爲す。

現代語承元五年(1211)閏正月大七日庚申。晴れです。亥の刻(午後十時頃)火事です。武州時房の屋敷から南側の家屋三十数軒が灰となってしまいました。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はれ　　ようふくじ　　 へんよ　　　　 うめのきいっぽんを　ごしょ　　ほくめん　 いしょくさる　　　　これ　　きたの　 びょうてい　 たねなり
承元五年(1211)閏正月大九日壬戌。�ﾘ。永福寺の邊自り、梅樹一本於御所の北面に移殖被る。是、北野の廟庭の種也。

のうかの　ぜつみょう　　　　あらず　みなみ　えだ　うぐいす すみか あ　　　　　これ　 よっ　　これ　しょうがんさる　　　　うんぬん
濃香之絶妙のみに匪、南の枝に 鴬 の棲 有り。之に依て之を賞翫被ると云々。

現代語承元五年(1211)閏正月大九日壬戌。晴れです。永福寺のあたりから、梅の木一本を御所の北側の私邸に移植しました。この梅は北野天満宮の庭の梅の種から育てたももなので、香が素晴らしいばかりか、鶯の巣もあります。そういうわけでこの木を気に入ったからなんだとさ。

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