吾妻鏡入門第廿四巻
承久二年庚辰(1220)四月大
| 承久二年(1220)四月大三日壬戌。大夫尉惟義使自京都到來。去月廿二日造内裏木作始。上卿參議辨大夫史等着行事假屋行事云云。又同廿六日淸水寺本堂燒失之由申之。當寺。 桓武天皇御宇延暦十七年戊寅七月二日。大納言田村麿呂壞渡私宅。草創云云。 |
読下し たいふのじょうこれよし つか きょうと
よ とうらい さんぬ つきにじうににち
ぞうだいり こづくりはじ
承久二年(1220)四月大三日壬戌。大夫尉惟義が使い京都自り到來す。去る月
廿二日 造内裏の木作始め。
しょうけい さんぎ
べん たいふ し ら ぎょうじ かりや つ
ぎょうじ うんぬん
上卿は參議。辨・大夫の史等、
行事の假屋に着き行事すと云云。
また おな にじうろくにち
きよみずでら ほんどう しょうしつのよし これ もう
又、同じき
廿六日 淸水寺の本堂 燒失之由、之を申す。
とうじ かんむてんのう おんう
えんりゃくじうしちねん つちのえとら しちがつふつか だいなごん たむらまろ したく
こぼ わた そうそう うんぬん
當寺は、桓武天皇の御宇 延暦十七年 戊寅 七月二日、
大納言田村麿呂私宅を壞ち渡し、草創すと云云。
現代語承久二年(1220)四月大三日壬戌。大夫尉大内惟義の使いが京都から到着しました。「先月の22日に内裏建設の着工式でした。指導の公卿は参議。弁官・五位の官吏たちが、監督係用の仮小屋に入って監督しましたとさ。又、同じ先月の26日に清水寺の本堂が燃えてしまった。」と報告しました。清水寺は、桓武天皇の時代の延暦17年(798)戊寅の7月2日、大納言坂上田村麻呂が自分の家を分解して持って来て組み立てたのが始まりだそうな。
吾妻鏡入門第廿四巻