吾妻鏡入門第四十二巻

建長四年(1252)八月小

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そらはれ　 しんのうけせいいたいしょうぐん　にん　 せし　 たま　 のあいだ　つるおかはちまんぐうに　ごはいが　あ　　べ　　　のよし
建長四年(1252)八月小一日癸丑。天�ﾘ。親王家征夷大将軍に任じ令め御ふ之間、鶴岡八幡宮于御拝賀有る可し之由、

さだ　　らる　　　のぎ　あ　　　　いへど　　　 や　　 らる　ところなり
定め被る之儀有ると雖も、停め被る所也。

ただ　　ぐぶにん　　さんじょう　 をい　　は　　　ごぜん　　めしおかる　　　　うんぬん　　むつかもんのすけこれ　　ひらん　　　　うんぬん
但し供奉人の散状に於て者、御前に召置被ると云云。陸奥掃部助之を披覽すと云云。

おんはいが　ぐぶにん　 〔 しだいふどう　　　　ほい　　〕
御拝賀供奉人〔次第不同　布衣〕

　　むつのかみ　　　　　　　　　　　　　　　　　　さがみのかみ
　陸奥守　　　　　　　　　相摸守

　　さきのうまごんのかみ　〔　ぎょけん　〕　　　　　おわりのぜんじときあき
　前右馬權頭〔御劔〕　　　 尾張前司時章

　　むさしのかみともなお　　　　　　　　　　　　 さがみうこんたいふしょうげんときさだ
　武藏守朝直　　　　　　　相摸右近大夫將監時定

　　むつかもんのすけさねとき　　　　　　　　　　びぜんぜんじときなが
　陸奥掃部助實時　　　　　備前々司時長

　　むつのいやしろうときもち　　　　　　　　　　　むさしのたろうともふさ
　陸奥弥四郎時茂　　　　　武藏太郎朝房

　　とおとうみのたろうきよとき　　　　　　　　　　　なわさこんたいふまさもち
　遠江太郎�C時　　　　　　那波左近大夫政茂

　　みわかのぜんじよりうじ　　　　　　　　　　　　 さどのぜんじもとつな
　三河前司頼氏　　　　　　佐渡前司基綱

　　おやまのでわぜんじながむら　　　　　　　　おおくらごんのしょうゆうともひろ
　小山出羽前司長村　　　　大藏權少輔朝廣

　　あいだのじょうすけよしかげ　　　　　　　　　　でわぜんじゆきよし
　秋田城介義景　　　　　　出羽前司行義

　　いずみぜんじゆきかた　　　　　　　　　　　　 のとうんこんたいふなかとき
　和泉前司行方　　　　　　能登右近大夫仲時

　　いがのぜんじときいえ　　　　　　　　　　　　 おおすみぜんじただとき
　伊賀前司時家　　　　　　大隅前司忠時

　　いせぜんじゆきつな　　　　　　　　　　　　　　　ささきいきぜんじやすつな
　伊勢前司行綱　　　　　　佐々木壹岐前司泰綱

　　とおとうみのじろうさえもんのじょうみつもり　 じょうのじろうよりかげ
　遠江次郎左衛門尉光盛　　城次郎頼景

　　かじわらえもんのじょうかげとし　　　　　　　　でわのじろうさえもんのじょうゆきあり
　梶原右衛門尉景俊　　　　出羽次郎左衛門尉行有

　　ぶんごのしろうさえもんのじょうただつな　　 おおそねさえもんのじょうながやす
　豊後四郎左衛門尉忠綱　　大曽祢左衛門尉長泰

　　しなののしろうさえもんのじょうゆきたが　　　むとうさえもんのじょうかげより
　信濃四郎左衛門尉行忠　　武藤左衛門尉景頼

　　いずのごろうさえもんのじょうまさやす　　　　あだちのさぶろうさえもんのじょうもとうじ
　和泉五郎左衛門尉政泰　　足立三郎左衛門尉元氏

　　ひたちのじろうひょうえのじょうゆきかつ　　 かのうのごろうさえもんのじょうためひろ
　常陸次郎兵衛尉行雄　　　狩野五郎左衛門尉爲廣

　　ひごんじろうさえもんのじょうためとき
　肥後次郎左衛門尉爲時

ずいへい
随兵

　　おわりのじろうきんとき　　　　　　　　　　　　　ほうじょうろくろうときさだ
　尾張次郎公時　　　　　　北條六郎時定

　　あしかがたろういえうじ　　　　　　　　　　　　 さがみのはちろうときたか
　足利太郎家氏　　　　　　相摸八郎時隆

　　みうらのすけもりとき　　　　　　　　　　　　　　じょうのくろうやすもり
　三浦介盛時　　　　　　　城九郎泰盛

　　ながいのたろうときひで　　　　　　　　　　　 しもつけのくろうつねつな
　長井太郎時秀　　　　　　下野七郎經綱

　　こうづけのごろうひょうえのじょうしげみつ　　 おおそねじろうさえもんのじょうもりつね
　上野五郎兵衛尉重光　　　大曽祢次郎左衛門尉盛經

　　あわのしろうひょうえのじょうまさうじ　　　　　　あそぬまのこじろうみつつな
　阿波四郎兵衛尉政氏　　　阿曽沼小次郎光綱

　　さたけひたちじろうながよし　　　　　　　　　たけだのさぶうろうまさつな
　佐竹常陸次郎長義　　　　武田三郎政綱

　　なんぶじろうさねみつ　　　　　　　　　　　　 いずのじろうさえもんのじょうゆきあき
　南部次郎實光　　　　　　和泉次郎左衛門尉行章

　　おおすがじろうさえもんのじょうたねうじ　　 たけいしのしろうたねうじ
　大須賀次郎左衛門尉胤氏　武石四郎胤氏

　　えちゅうしろうさえもんのじょうときなり　　　　いずのたろうさえもんのじょうさねやす
　越中四郎左衛門尉時業　　伊豆太郎左衛門尉實保

ひたたれぎ
直垂着

　　こうづけのいやしろうさえもんのじょう　　　　 おな　　　　じうろう
　上野弥四郎左衛門尉　　　同じき十郎

　　ましこのさぶろうさえもんのじょう　　　　　　　じょうのじうろう
　益戸三郎左衛門尉　　　　城三郎

　　でわのさぶろう　　　　　　　　　　　　　　　　 いきのしんさえもんのじょう
　出羽三郎　　　　　　　　壹岐新左衛門尉

　　ささきのしろうさえもんのじょう　　　　　　　　 そうまのじろうさえもんのじょう
　佐々木四郎左衛門尉　　　相馬次郎左衛門尉

　　むとうじろうひょうえのじょう　　　　　　　　　　ひらがのしんざぶろう
　武藤次郎兵衛尉　　　　　平賀新三郎

　　うさみのごろううえもんのじょう　　　　　　　　 いとうのさぶろう
　宇佐美五郎右衛門尉　　　伊東三郎

　　しぶやのさえもんのじょう　　　　　　　　　　 しきべのさえもんのじょう
　澁谷左衛門尉　　　　　　色部左衛門尉

　　こばやかわのみまさかじろうひょうえのじょう　かとうさぶろう
　小早河美作次郎兵衛尉　　加藤三郎

　　だてのじろう　　　　　　　　　　　　　　　　　　 おおすがのさえもんたろう
　伊達次郎　　　　　　　　大須賀左衛門太郎

　　かまたのじろうひょうえのじょう　　　　　　　　おおいずみのくろう
　鎌田次郎兵衛尉　　　　　大泉九郎

現代語建長四年(1252)八月小一日癸丑。空は晴れです。宗尊親王が征夷大将軍に任命されたので、鶴岡八幡宮にお礼を述べる拝賀をするように、決めたのですが止めにしたのです。ただし、お供の人の回覧は御前に出させたそうです。陸奥掃部助北条実時が見せましたとさ。
将軍拝賀のお供の人〔順不同、礼装の布衣(狩衣)〕
　陸奥守北条重時　　　相模守北条時頼
　前右馬権頭北条政村〔太刀持ち〕　尾張前司北条時章
　武蔵守北条朝直　　　相模右近大夫将監北条時定
　陸奥掃部助北条実時　備前前司時長
　陸奥弥四郎時茂　　　武蔵太郎北条朝房　
　遠江太郎清時　　　　那波左近大夫政茂
　三河前司新田頼氏　　佐渡前司後藤基綱
　小山出羽前司長村　　大蔵権少輔朝広
　秋田城介安達義景　　出羽前司二楷堂行義
　和泉前司二楷堂行方　能登右近大夫仲時
　伊賀前司時家　　　　大隅前司島津忠時
　伊勢前司二楷堂行綱　佐々木壱岐前司泰綱
　遠江次郎左衛門尉佐原光盛　城次郎安達頼景
　梶原右衛門尉景俊　　出羽次郎左衛門尉二楷堂行有
　豊後四郎左衛門尉島津忠綱　大曽祢左衛門尉長泰
　信濃四郎左衛門尉二楷堂行忠　　武藤左衛門尉景頼
　和泉五郎左衛門尉天野政泰　足立三郎左衛門尉元氏
　常陸次郎兵衛尉二楷堂行雄　狩野五郎左衛門尉為広
　肥後次郎左衛門尉藤原為時
武装儀仗兵
　尾張次郎北条公時　　　　　北条六郎時定
　足利太郎家氏　　　　　　　相模八郎北条時隆
　三浦介盛時　　　　　　　　城九郎安達泰盛
　長井太郎時秀　　　　　　　下野七郎宇都宮経綱
　上野五郎兵衛尉結城重光　　大曽祢次郎左衛門尉盛経
　阿波四郎兵衛尉薬師寺政氏　阿曾沼小次郎光綱
　佐竹常陸次郎長義　　　　　武田三郎政綱
　南部次郎実光　　　　　　　和泉次郎左衛門尉二階堂行章
　大須賀次郎左衛門尉胤氏　　武石四郎胤氏
　越中四郎左衛門尉(宇都宮)横田時業　伊豆太郎左衛門尉実保
鎧直垂を着た人
　上野弥四郎左衛門尉結城時光　同十郎結城朝村
　益子三郎左衛門尉　　　城三郎安達景村
　出羽三郎二楷堂行資　　壱岐新左衛門尉後藤基頼
　佐々木四郎左衛門尉　　相馬次郎左衛門尉胤綱
　武藤次郎兵衛尉朝泰　　平賀新三郎惟時
　宇佐美五郎右衛門尉　　伊東三郎
　渋谷左衛門尉武重　　　色部左衛門尉
　小早川美作次郎兵衛尉　加藤三郎景綱
　伊達次郎　　　　　　　大須賀左衛門太郎
　鎌田次郎兵衛尉行俊　　大泉九郎長氏

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そらはれかぜしずか　みのこく　　しんごしょりっちゅうじょうとうなり　おうしゅうなら　　ひょうじょうしゅう　ごけにんら　　　しゅっしさいさいたり
建長四年(1252)八月小二日甲辰。天�ﾘ 風靜。 巳尅、新御所立柱 上棟也。奥州并びに評定衆・御家人等の出仕濟々焉。

ばんとう　 およ　　　　だいこう　いげ　　たくみらろくぶつ　 たま
晩頭に及び、大工以下の匠等祿物を賜はる。

現代語建長四年(1252)八月小二日甲辰。空は晴れです。風邪は静かです。午前10時頃、新築御所の柱立て棟上げ式です。奥州北条重時さんそれに政務会議メンバー・御家人達の出勤は大勢です。夕方になって、大工の頭領を始めとする技術屋達に、褒美を与えました。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そらはれ　しょうぐんけいささ　ごのう　　　くすしただもちあそん　　ひろなが　　ながよ ら さんこう　　　　ごりょうち　　　ことひょうぎ　　およ　　　　うんぬん
建長四年(1252)八月小四日丙辰。天�ﾘ。將軍家聊か御惱。醫師忠茂朝臣・廣長・々世等參候す。御療治の事評議に及ぶと云云。

現代語建長四年(1252)八月小四日丙辰。空は晴れです。宗尊親王将軍家が多少具合が悪いようです。医者の丹波忠茂さん・広長さん・長世などがやって来ました。治療方法について会議をしていましたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そらはれ　 しょうぐんけ　　 ごのう　　　おんきとう　　こと　　おお　　くださる　　　　うんぬん
建長四年(1252)八月小五日丁巳。天�ﾘ。將軍家の御惱。御祈祷の事、仰せ下被ると云云。

現代語建長四年(1252)八月小五日丁巳。空は晴れです。宗尊親王将軍家の病気の加持祈祷について、命令が出ましたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そらはれ　　きょうまた　　おんかたが　　あ　　　べ　　　　　よっ　　　　　ぐぶ　　　ひとびとさんしん　　　　〔　ぎょけんやく　　　かち　たるべ　　　〕

建長四年(1252)八月小六日戊午。天�ﾘ。今日又、御方違へ有る可きに依て、供奉の人々參進す。〔御劔役は歩儀爲可し〕

　　しくぶのたいふときひろ　　　　　　　　　　　　ほうじょうろくろうときさだ
　式部大夫時弘　　　　　　北條六郎時定

　　おわりのじろうきんとき　　　　　　　　　　　　　とおとうみのたろうきよとき
　尾張次郎公時　　　　　　遠江太郎�C時

　　おおずみぜんじただとき　　　　　　　　　　　いずみのぜんじゆきかた
　大隅前司忠時　　　　　　和泉前司行方

　　おうみのたおふほうがんうじのぶ　　　　　　　おおそねじろうさえもんのじょうもりつね
　近江大夫判官氏信　　　　大曽祢次郎左衛門尉盛經

　　いやじろうさえもんのじょうちかもり　　　　　　むとうさえもんのじょうかげより
　弥次郎左衛門尉親盛　　　武藤左衛門尉景頼

　　でわのじろうさえもんのじょうゆきあり　　　　おきのさぶろうさえもんのじょうゆきうじ
　出羽次郎左衛門尉行有　　隱岐三郎左衛門尉行氏

　　かのうのごろうさえもんのじょうためひろ　　 いずのたろうさえもんのじょうさねやす
　狩野五郎左衛門尉爲廣　　伊豆太郎左衛門尉實保

　　おのでらしろうさえもんのじょうみちとき　　 おしだれさえもんのじょうもととき
　小野寺四郎左衛門尉通時　押垂左衛門尉基時

　　しなののしろうさえもんのじょうゆきただ　　ひたちのひょうえのじょうゆきかつ
　信濃四郎左衛門尉行忠　　常陸兵衛尉行雄

　　あだちのさぶろうさえもんのじょうもとうじ
　足立三郎左衛門尉元氏

　　　　　　いじょう　きば　たるべ
　　　已上騎馬爲可し。

　　むとうじろうひょうえのじょうよりやす　　　　　おな　　　　しちろうかねより
　武藤次郎兵衛尉頼泰　　　同じき七郎兼頼

　　ひらだのしんざぶろうこれとき　　　　　　　　かとうさぶろうかげつね
　平賀新三郎惟時　　　　　加藤三郎景經

　　だてのじろう　　　　　　　　　　　　　　　　　　あだちのさぶろう
　伊達次郎　　　　　　　　足立三郎

　　　　　　 いじょう　かち　たるべ
　　　已上歩行爲可し。

おんいであ　　　　　　ほっ　　　　のところ　　ごのうのあいだ えんいん　　　 よっ　　おんきとう　 おこなはれ　　　たいさんふくん　はるもち　　　きき　　　ためちか
御出有らんと欲する之處、御惱之間 延引す。仍て御祈祷を行被る。泰山府君は�ﾘ茂。鬼氣は爲親。

れいしょななせ　　　はるかた　ふみもと　 はるなが　 はるひで　もちひら　　くにたか　 しげうじ　　　どこう　　はるひでら　　　うんぬん
靈所七瀬は、�ﾘ賢・文元・�ﾘ長・�ﾘ秀・以平・國高・重氏。土公は�ﾘ秀等と云云。

およ　　かく　　　ごふよ　　　こと　　さんぬ　つきじょうじゅんのころよ　　　 ときどきはっせし　 たま　　　　いま　 をい　　は　ごぜん　　き　　　　　めされず
凡そ此の御不豫の事、去る月上旬 之比自り、時々發令め給ふ。今に於て者御膳を聞こし食被不。

しゅうじんきょうそう　　たんそくのほか　たごと な　　　よっ　　きょう　　　 おんきとう　　　りょうち　　こと　　 ごしょ　　　をい　　ひょうぎ　　およ
衆人驚騒す。歎息之外他事無し。仍て今日、御祈祷・療治の事、御所に於て評議に及ぶ。

おうしゅう　そうしゅう　さきのうまごんのかみまさむら　さきのむさしのかみともなお　さきのおわりのかみときあき　さきのでわのかみゆきよし　あいだのじょうすけよしかげらさんこう
奥州・相州・ 前右馬權頭政村・ 前武藏守朝直・　前尾張守時章・　前出羽守行義・ 秋田城介義景等 參候す。

さきのいずものかみゆきかた　むとうさえもんのじょうかげよりこれ　　ぶぎょう　　　　せいさえもんのじょうみつさだ　　もっ　　これ　　しせつ　　な
前和泉守行方・武藤左衛門尉景頼之を奉行す。�C左衛門尉滿定を以て之の使節と爲す。

つるがおかべっとうほういんりゅうべん　めしい　　　　ごしょ　　ひさし　をい　　　じょうのすけぐんぎのおもむきを　ほういん　　つた　　い
鶴岡別當法印隆辨を召入れ、御所の廂に於て、城介群議之 趣 於法印に傳へ云はく。

　こ　　きみせんとうごちょうあいにいちにみやなり　　とうかん　　しょにん　　こんもうら　　なおざりせざるのあいだ　　さんみちゅうじょうどの　おんかえ　　な　　　おんげこう　　　　ぶけ　　　びもく　　あらずや
此の君仙洞御鍾愛之一宮也。東關の諸人の懇望等を閑に不之間、三位中將殿の御替と爲し御下向す。武家の眉目に非乎。

しか　　　　ごのう　ひ　　　わた　　のあぢあ　　けんみつ　　おいのり　　そ　　　かず　　つくさる　　　いへど　　　きりょう　　すべ　　うしな　　しゅんじつ　　むな　　　　うつ
而るに御惱日を渉る之間、顯密の御祈、其の數を盡被ると雖も、祈療の術を失い、旬日に空しく遷る。

しょだん　　おいのり　　をい　　は　　　けさ　みなけちがんさる　ところなり
諸壇の御祈に於て者、今朝皆結願被る所也。

ごにゅうえいのはじ　　　　きぜん　むい　　　おいのりら　　いたされ　　このたび　　あんぜん　　こと　　おな　　　　いっしんのこんたん　　こ　　　さる　　べ　　　のむね
御入營之始め、貴禪無爲の御祈祷を致被、今度の安全の事、同じく一身之懇丹を凝ら被る可き之旨、

ぎじょう　　をはんぬてへ　　　　ほういんりょうじょう　　もう　　　　うんぬん
議定し訖　者れば、法印領状を申すと云云。

現代語建長四年(1252)八月小六日戊午。空は晴れです。今日又、方角替えがありますので、お供の人々がやって来ました。〔太刀持ちは歩きです〕
　式部大夫北条時弘　　　　北条六郎時定
　尾張次郎北条公時　　　　遠江太郎清時
　大隅前司島津忠時　　　　和泉前司二楷堂行方
　近江大夫判官佐々木氏信　大曽祢次郎左衛門尉盛経
　弥次郎左衛門尉親盛　　　武藤左衛門尉景頼
　出羽次郎左衛門尉二階堂行有　隠岐三郎左衛門尉二階堂行氏
　狩野五郎左衛門尉為広　　伊豆太郎左衛門尉実保
　小野寺四郎左衛門尉通時　押垂左衛門尉基時
　信濃四郎左衛門尉二楷堂行忠　常陸兵衛尉二楷堂行雄
　足立三郎左衛門尉元氏
　　　以上は乗馬です
　武藤次郎兵衛尉頼泰　　　同七郎武藤兼頼
　平賀新三郎惟時　　　　　加藤三郎景経
　伊達次郎　　　　　　　　足立三郎
　　　以上は歩きです。
出発しようとしましたが、具合が悪いので延期しました。それで加持祈祷を行いました。泰山府君祭は安倍晴茂。鬼気は為親。神聖な場所へ行き七瀬払いを、晴賢・文元・晴長・晴秀・以平・国高・重氏。土公は晴秀だそうな。だいたい将軍の病気については、先月上旬の頃から時々発病します。現在では、ご飯も召し上がりません。皆さん驚き騒ぎました。ため息をつくよりほかにありません。それなので今日、加持祈祷や治療について、御所で会議をしました。奥州北条重時・相州北条時頼・前右馬権頭北条政村・前武蔵守北条朝直・前尾張守北条時章・前出羽守二階堂行義・秋田城介安達義景などが集まりました。
前和泉守二階堂行方・武藤左衛門尉景頼がこれを担当します。清原左衛門尉満定をこの使者にしました。
鶴岡八幡宮筆頭の法印隆弁を呼び入れて、御所の濡れ縁で城介安達義景が会議の内容を法印隆弁に伝えました。

「この親王は、仙洞院の大事にしている一番目の皇子です。関東政権の皆さんの要望をおろそかに出来ないので、三位中将頼嗣様の代りとして鎌倉へ下りました。武家の面目が立ちました。それなのに病気が続いていますので、顕教密教のお祈りを数を尽くしましたが、加持祈祷の効き目が無くて、10日以上もむなしい日を送っています。色々の御祈祷については、今日全て満願する所です。初めて御所へ入られた時に、貴僧が無事を祈ってくれました。今度の身の安全についても、同様に心を込めてくれるように、会議で決まりました。」と云ったので、法印は承知をしましたとさ。

説明七瀬払いは、26巻貞応3年6月6日条では、由比ガ浜・七里ヶ浜・片瀬川・六浦・鼬川・森戸海岸・江の島龍穴。
又、27巻寛喜2年(1230)11月13日条では霊所、由比ガ浜、七里ヶ浜、片瀬川、六浦、鼬川、森戸海岸、田越川が書かれている。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そらはれ　ほういんりゅうべんごしょちゅ　　をい　　　　しょや　よ　　　ぐふよ　　あんねい　　おいのりせんじゅほう　　しぎょう　　　〔ふくびょう　りょう　〕
建長四年(1252)八月小七日己未。天�ﾘ。法印隆辨御所中に於て、初夜自り御不豫安寧の御祈千手法を始行す〔腹病を療す〕。

しんどくだいはんやきょう　　うんぬん
信讀大般若經と云云。

現代語建長四年(1252)八月小七日己未。空は晴れです。法印隆弁が御所の中で、午後8時頃から病気が治す祈りの千手観音経を始めました〔お腹の病を治す法です〕。大般若経をきちんと読みましたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そらはれ　しょうぐんけ　　ごのういささ　　ごげん　　おんかゆ　　き　　　　　めさる　　　　うんぬん
建長四年(1252)八月小十日壬戌。天�ﾘ。將軍家の御惱聊か御減。御粥を聞こし食被ると云云。

現代語建長四年(1252)八月小十日壬戌。空は晴れです。宗尊親王将軍家の病気が少し良くなってきて、御粥を召しあがりましたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そらはれ　しょうぐんけ　　おんうるけ　たいさん　　　　ごぜん　　き　　　　　めさる　　　のあぢあ　　しょにんあんどのおもい　な　　　うんぬん
建長四年(1252)八月小十三日乙丑。天�ﾘ。將軍家の御温氣退散す。御膳を聞こし食被る之間、諸人安堵之思を成すと云云。

現代語建長四年(1252)八月小十三日乙丑。空は晴れです。宗尊親王将軍家の熱が下がりました。ご飯を食べられたので、みな安心をしましたとさ。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ほうじょうえ　ごさんぐう　　　ぐぶにん　さんじょうこれ　　ひらん　　　　ごのう　あ　　　　いへど　　これ　　めしいだされ　　ごてん　　くださる　　　　うんぬん
建長四年(1252)八月小十四日丙寅。放生會御參宮の供奉人の散状之を被覽す。御惱有ると雖も之を召出被、御點を下被ると云云。

　　さきのうまごんおかみ　〔　じうごにち　　ぎょけにゃくたるべ　　　〕　　　　　　　　　　　　　　　　むさしのかみともなお〔　じうろくにち　　おな　　やくたるべ　　　〕
　前右馬權頭〔十五日の御劔役爲可き〕　　　　　　　　武藏守朝直〔十六日の同じ役爲可き〕

　　とおとうみのかみときなお　　　　　　　　　　　　　びぜんぜんじときなが
　遠江守時直　　　　　　　　備前々司時長

　　さがみうこんたいふしょうげんときさだ　　　　　　さがみしきぶのたいときひろ

　相摸右近大夫將監時定　　　相摸式部大夫時弘

　　ほうじょうえおくろうときさだ　　　　　　　　　　　　 するがしろうかねとき
　北條六郎時定　　　　　　　駿河四郎兼時

　　あきのぜんじちかみつ　　　　　　　　　　　　　　　 なはさこんたいふまさしげ
　安藝前司親光　　　　　　　那波左近大夫政茂

　　のとうこんしょうげんなかとき　　　　　　　　　　　　おやまではぜんじながむら
　能登右近將監仲時　　　　　小山出羽前司長村

　　いずみのぜんじゆきかた　　　　　　　　　　　　おおくらごんのしょうゆうともひろ
　和泉前司行方　　　　　　　大藏權少輔朝廣

　　みかわのぜんじよりうじ　　　　　　　　　　　　　　　あわぜんじともむら
　三河前司頼氏　　　　　　　阿波前司朝村

　　いがぜんじときいえ　　　　　　　　　　　　　　　 ながとのかみときとも
　伊賀前司時家　　　　　　　長門守時朝

　　いせぜんじゆきつな　　　　　　　　　　　　　　　えっちゅうぜんじよりなり
　伊勢前司行綱　　　　　　　越中前司頼業

　　とおとうみのじょうろうさえもんのじょうみつもり　 おな　　　 ろくろうさえもんのじょうときつら
　遠江次郎左衛門尉光盛　　　同じき六郎左衛門尉時連

　　かじわらうえもんのじょうかげとし　　　　　　　　 おおそねさえもんのじょうながやす
　梶原右衛門尉景俊　　　　　大曽祢左衛門尉長泰

　　ぶんごさえもんのじょうただとき　　　　　　　　　 むとうさえもんのじょうかげより
　豊後左衛門尉忠時　　　　　武藤左衛門尉景頼

　　でわのじろうさえもんのじょうゆきあり　　　　　　 あだちさぶろうさえもんのじょうもとうじ
　出羽次郎左衛門尉行有　　　足立三郎左衛門尉元氏

　　といさえもんのじょうこれとき　　　　　　　　　　　 さどのごろうさえもんのじょうもとたか
　土肥左衛門尉惟時　　　　　佐渡五郎左衛門尉基隆

　　ほうきしろうさえもんのじょうみつきよ　　　　　　　ひごのじろうさえもんのじょうためとき
　伯耆四郎左衛門尉光�C　　　肥後次郎左衛門尉爲時

　　しなののしろうさえもんのじょうゆきただ　　　　　いずみごろうさえもんのじょうまさやす
　信濃四郎左衛門尉行忠　　　和泉五郎左衛門尉政泰

　　おのでらしろうさえもんのじょうみちとき　　　　　かのうごろうさえもんのじょうためひろ
　小野寺四郎左衛門尉道時　　狩野五郎左衛門尉爲廣

　　いやぜんたうえもんのじょうやすよし　　　　　　 ひごのじろうさえもんのじょうかげうじ
　弥善太右衛門尉康義　　　　肥後次郎左衛門尉景氏

　　おしだれさえもんのじょうもととき　　　　　　　　ひたちのじろうひょうえのじょうゆきかつ
　押垂左衛門尉基時　　　　　常陸次郎兵衛尉行雄

　　ちょうないさえもんのじょう　　　　　　　　　　　　ちょうのさぶろうさえもんのじょうともつら
　長内左衛門尉　　　　　　　長三郎左衛門尉朝連

　　ちょうのじろうさえもんのじょうよしつら　　　　　　いきしんさえもんのじょうもとより
　長次郎左衛門尉義連　　　　壹岐新左衛門尉基頼

　　おおいずみじろうひょうえのじょううじむら　　　 むつかもんのすけさねとき
　大泉次郎兵衛尉氏村　　　　陸奥掃部助實時

現代語建長四年(1252)八月小十四日丙寅。供養のため捕らえられた生き物を放してやる儀式の放生会のお参りのお供を書き出した回覧を見せました。具合は悪くてもこれを出させて合点を印しましたとさ。
　前右馬権頭北条政村〔十五日の太刀持ちです〕　武蔵守北条朝直〔十六日の太刀持ちです〕
　遠江守北条時直　　　　　　　備前前司時長
　相模右近大夫将監北条時定　　相模式部大夫北条時弘
　北条六郎時定　　　　　　　　駿河四郎兼時
　安芸前司親光　　　　　　　　那波左近大夫政茂
　能登右近将監仲時　　　　　　小山出羽前司長村
　和泉前司二階堂行方　　　　　大蔵権少輔結城朝広
　三河前司頼氏　　　　　　　　阿波前司朝村
　伊賀前司時家　　　　　　　　長門守笠間時朝
　伊勢前司二楷堂行綱　　　　　越中前司(宇都宮)横田頼業
　遠江次郎左衛門尉佐原光盛　　同じき六郎左衛門尉佐原時連
　梶原右衛門尉景俊　　　　　　大曽祢左衛門尉長泰
　豊後左衛門尉島津忠時　　　　武藤左衛門尉景頼
　出羽次郎左衛門尉二楷堂行有　足立三郎左衛門尉元氏
　土肥左衛門尉惟時　　　　　　佐渡五郎左衛門尉後藤基隆
　伯耆四郎左衛門尉葛西光�C　　肥後次郎左衛門尉藤原為時
　信濃四郎左衛門尉二楷堂行忠　和泉五郎左衛門尉天野政泰
　小野寺四郎左衛門尉道時　　　狩野五郎左衛門尉為広
　弥善太右衛門尉三善康義　　　肥後次郎左衛門尉天野景氏
　押垂左衛門尉基時　　　　　　常陸次郎兵衛尉行雄
　長谷部内左衛門尉　　　　　　長谷部三郎左衛門尉朝連
　長谷部次郎左衛門尉義連　　　壹岐新左衛門尉後藤基頼
　大泉次郎兵衛尉氏村　　　　　陸奥掃部助北条實時

　　参考御点は、名簿などに確認の点を書く。合点ともいう。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 つるおかはちまんぐう　ほうじょうえなり　　しょうぐんけ ごのう　　よっ　　ごさんぐう な　　　　さきのうまごんのかみまさむら ほうへい　　おんしたり
建長四年(1252)八月小十五日丁夘。鶴岡八幡宮の放生會也。將軍家御惱に依て御參宮無し。前右馬權頭政村 奉幣の御使爲。

現代語建長四年(1252)八月小十五日丁卯。供養のため捕らえられた生き物を放してやる儀式の放生会です。宗尊親王将軍家は病気でお参りはありません。前右馬権頭北条政村が幣を納める代参です。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 おな　　　　　ばば　　　ぎ れい　 ごと
建長四年(1252)八月小十六日戊辰。同じく馬塲の儀例の如し。

現代語建長四年(1252)八月小十六日戊辰。鶴岡八幡宮の馬場での奉納は何時もの通りです。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　しょうぐんけ ごのう　　なおもっ　ふかいのあいだ　　　ごきとう　　　ことこんあつ　 いた　　べ　　　のよし　　しょじ しょしゃ　　おお　　らる
建長四年(1252)八月小十七日己巳。�ﾘ。將軍家御惱。猶以て不快之間、御祈祷の事懇篤に致す可き之由、諸寺諸社に仰せ被る。

また　しんめを　にしょ　　みしましゃら　　たてまつらる　こと　　つるがおか　をい　　におうえ　　おこなはれ　べ　　こと　　ごりゅうがんあ　　　　うんぬん
又、神馬於二所・三嶋社等に奉被る事、鶴岡に於て仁王會を行被る可き事、御立願有りと云云。」

きょう　　　ひがんだいしちにち　 あた　　ふかざわのさと　こんんどう はちじょう　しゃかにょらいぞう　　ちう　　はじ　たてまつ
今日、彼岸第七日に當り、深澤里に 金銅 八丈の釋迦如來像を鑄し始め奉る。

現代語建長四年(1252)八月小十七日己巳。晴れです。宗尊親王将軍家の病気が、少しも良くなりませんので、加持祈祷を熱心にするように、あちこちの寺や神社に云いつけました。又、馬を箱根・走湯の二権現と三島大社に奉納する事、鶴岡八幡宮で仁王経の法要を行う事、が願いだそうな。」
今日、秋のお彼岸の七日目にあたって、深沢の里に金堂の八丈(24ｍ但しすっわってるので12ｍ)の釈迦如来像を鋳始めました。

参考寛元元年六月經時の時は阿弥陀木像。鎌倉大仏は、金銅八丈。但し釈迦如来では無く阿弥陀如来。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　おうしゅう　さきのてんきゅう　ぶしゅう　あいだのじょうすけよしかげ　でわぜんじゆきよし　いげ　　すうやからごしょ　　まい
建長四年(1252)八月小廿一日癸酉。�ﾘ。 奥州・前典厩・ 武州・秋田城介義景・ 出羽前司行義以下の數輩御所へ參る。

ごのう　　　よっ　　　おんかたたが　　ちち　のあいだ　　ごいし　えんいんすべ　　こと　　　さた　　　へ　らる
御惱に依て、御方違へ遲々之間、御移徙延引可き事、沙汰を經被る。

さきのだいぜんりょうためちか　ごいし　　じういちがつ じういちにち たるべ　　のよしかんもん　　しん　　　　またじゅにがつよっか　　じうろくにち　　きちじつなり　 ただ　 みなもっ　 かんにちなり
 前大膳亮爲親、御移徙は十一月　十一日爲可き之由勘文を進ず。亦十二月四日・十六日は吉日也。但し皆以て坎日也。

しかれども せんこう　いげ　　おお　 れい　 ぞん　 なだ　 もち　　　　　　　　のじょう　　なにごと　　あ　　　　　や　のむねこれ　　もう　　　　かさ　　　　　さた　あ
 然而 遷幸以下、多く例を存じ宥め用いられる之條、何事か有らん哉之旨之を申す。重ねて沙汰有り。

じういちがつ  じういちにち じょうきちたり　 か　　 ひ　　　もち　　らる　　べ　　　　 そ　 あいだなん　 ぞうひつされざら　 や　のよし　おのおの さだ　　もうさる　　　　うんぬん
十一月　十一日 上吉爲。彼の日を用い被る可し。其の間何ぞ造畢被不ん哉之由、　各　定め申被ると云云。

あいだのじょうすけ これ　 ぶぎょう
 秋田城介 之を奉行す。

現代語建長四年(1252)八月小二十一日癸酉。晴れです。奥州北条重時・前典厩北条政村・武州北条朝直・秋田城介安達義景・出羽前司二階堂行義以下の数人が将軍の御所へ来ました。病気なので、方角替えが遅れているので、引っ越しを延期する事を、裁決いただきました。
前大膳亮為親が、引っ越しは11月11日にするように上申書を提出しました。又、12月4日・16日は良い日の吉日です。但しすべて大凶の日です。しかしながら、天皇の引っ越しを始めとして、多くの例を知ってますのであえて採用する事に、何のためらいがありましょうかと云ってます。又も検討がありました。11月11日が最も吉です。その日に致すよう。その間、何も造作はしないように、それぞれを決定申されましたとさ。秋田城介がこれを担当します。

参考典厩は、左馬頭。参考勘文は、陰陽道の勧告上申書。

参考坎日は、縁起が悪い日（大兇）で１月辰、２月丑、３月戌、４月未、５月卯、６月子、７月酉、８月午、９月寅、十月亥、十一月申、十二月巳。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そらはれ　 ほういんりゅうべん ごきとうどうじょう　をい　　ひとねのあいだ　　れいむ　　かんとく　　　　のよし　　そうしゅう ごしょ に ごんじょうさる　　　うんぬん

建長四年(1252)八月小廿二日甲戌。天�ﾘ。法印隆辨御祈祷道塲に於て一寢之間、靈夢を感得する之由、相州 御所于言上被ると云云。

しょうどうふたり　〔おのおのからしょうぞく　　つ　　　　　　そ　　　かたち　しし　　ごと　　〕　　　　つら　　あか　 ころも　あお　　ごしょ なんめん　からがきよ　　 しりぞ　　　うんぬん
小童二人〔 各 唐裝束を着く。其の形獅子の如し〕。面は赤。衣は��。御所南面の唐墻自り退くと云云。

しょうぐんけ また　ごむそう　あ　　　　うんぬん　　わらべふたり　ごしょ　 お　たてまつ　　 しか　　　くだん　りょうどう てんきょうのこえ　　き　　　　たちま　　に　　　さ　　　のよし　　うんぬん
將軍家 又御夢想有りと云云。童二人御所を追い奉る。而るに件の兩童 轉經之聲を聞き、忽ち逃げ去る之由と云云。

現代語建長四年(1252)八月小二十二日甲戌。空は晴れです。法印隆弁は鶴岡八幡宮の祈祷専門道場で一眠りした時に、夢のお告げを得ましたと、時頼さんに申しあげたそうな。子供が二人〔唐子の衣装を着ていて、唐獅子のようです〕、顔は赤くて、着物は青で、御所の南面の木を植えた唐垣から消えたそうな。
宗尊親王将軍家もまた、夢のお告げがあったそうな。子供二人が将軍を追いかけて廻していました。しかしその二人の子供は、お経を摺り読みする声を聞いたら、すぐさま逃げてしまいましたとさ。

参考霊夢を感得するは、�~のお告げが有る。
参考唐垣は、木を植えただけの垣根。清川病院の北（御所の北）で発掘したところ、南北と東西に掘りの南に植込みの根が発掘された。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　ごのう　　　こと　　よっ　　　　しかく　しきょう　　　　ききさい　　おこなはれ
建長四年(1252)八月小廿三日乙亥。�ﾘ。御惱の事に依て、四角四境の鬼氣祭を行被る。

はるかた　はるもち　ためちから　　　あそん　　はるひで　もちひら　はるなお　 きよもり　 もちうじ ら　これ　　ほうし　　　　　きょう　 ごへいげん　　うんぬん
�ﾘ賢・�ﾘ茂・爲親等の朝臣、�ﾘ秀・以平・�ﾘ尚・�ﾘ盛・茂氏等之を奉仕す。今日御平減と云云。

現代語建長四年(1252)八月小二十三日乙亥。晴れです。病気について、御所の四隅と鎌倉の四隅で鬼気祭を行いました。安倍晴賢・晴茂・為親さん達、晴秀・以平・晴尚・茂氏達がこれを勤めました。今日は、良くなってきましたとさ。

参考四角は、鬼門などの御所の四隅。参考四境は、鎌倉の四隅。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そらはれ　　ごのう　　　こと　　ぬるけ ことごと　さん　　　　ごしんしんふくほん　　　はなは　かいぜん　うんぬん

建長四年(1252)八月小廿四日丙子。天�ﾘ。御惱の事、温氣 悉く散じ、御心神復本す。太だ快然と云云。

現代語建長四年(1252)八月小二十四日丙子。空は晴れです。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　おいのり　ため　　ぎょけんおんうまを　にしょ　　みしましゃ　たてまつらる　　のうえ
建長四年(1252)八月小廿五日丁丑。�ﾘ。御祈の爲、御劔御馬於二所・三嶋社に奉 被る之上、

くだん　さんじょ　 をい　　　だいはんにゃきょう　てんどく たてまつ
件の三所に於て、大般若經を 轉讀 奉る。

また　　　おかぐら　あ　　　べ　　　のよし　　これ　 おお　 くださる　　　 むとうさえもんのじょうかげより　おんし　　な　　 しんぱつ
又、御神樂有る可き之由、之を仰せ下被る。武藤左衛門尉景頼御使と爲し進發す。

現代語建長四年(1252)八月小二十五日丁丑。晴れです。御祈りの為、刀と馬を箱根・走湯の二権現・三島大社に奉納して、その三か所で大般若経をすり読みさせました。又、お神楽を奉納するように仰せになられました。武藤左衛門尉景頼が、代理として出発しました。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　　さきのびぜんのかみ じゅごいげ たいらのあそんときなが そつきょ
建長四年(1252)八月小廿六日戊寅。�ﾘ。 前備前守　從五位下 平朝臣時長　卒去す。

現代語建長四年(1252)八月小二十六日己寅。晴れです。前備前守従五位下平朝臣名越流北条時長が亡くなりました。

参考没年記事。北条時長（名越流）。義時―朝時―時長。32巻嘉禎4年(1238)6月7日初出演。遠江三郎時長主。

読下し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 はれ　 とらのこく　 さんまんろくせんしんさい　おこなはれ　　さきのだいぜんのすけためちかあそん これ　　ほうし
建長四年(1252)八月小廿七日己夘。�ﾘ。寅刻、 三萬六千神祭を行被る。　 前大膳亮爲親朝臣　 之を奉仕す。

おんし　　　あきのさこんくらんど　　　ごのう　　　ごきとう　なり
御使は安藝左近藏人。御惱の御祈祷也。

現代語建長四年(1252)八月小二十七日己卯。晴れです。午前4時頃、36000神祭を行いました。前大膳亮為親さんが勤めました。代参は、安芸左近蔵人重親です。病気平癒の祈祷です。

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